つらいときは医療機関や信頼できる人を頼る
編集部
現在の治療と生活の様子について教えてください。
川田さん
通院は1カ月に1回の頻度になりました。生活リズムも少しずつよくなっており、午前11時に起きる日はほとんどありません。外出への抵抗も減り、近所を散歩して運動する習慣を続けています。食欲も回復し、気持ち悪くならずに食事をとれるまでに回復しました。動悸や吐き気がする際は理由を自分に問いかけ、休む日と行動する日のメリハリをつけて過ごしています。
編集部
症状が安定してきた要因はありますか?
川田さん
仕事を辞めたのが一番大きな要因だと感じています。以前は、一刻も早く職場に戻って周囲に合わせなければならないという強迫観念で治療に向き合っていました。しかし、辞める決心をした際に気持ちがだんだんとほぐれていくのを感じました。同時に、この症状と長く付き合っていくのだと確信しました。
編集部
症状が出るまでに気をつけるべきことは何ですか?
川田さん
自分の感情にうそをつかないことです。「自分は弱い人間ではない」「今は苦しいだけで、この時間を耐えれば体調が戻る」と感じているときは危険です。精神疾患にかかりやすい人は、悩みを自分で抱え込みすぎる傾向があると思います。「恥ずかしいから」と病院へ行くのを避けてしまうほど自分の限界に鈍感になっているため、限界だと感じたらすぐに相談するのが得策です。
編集部
症状が回復する上で大切なことを教えてください。
川田さん
早く治そうとしないことです。「もう大丈夫です」と言い切る人は、大抵の場合まだ大丈夫ではありません。復帰を早めると、どこかのタイミングで再発するか、症状が悪化して別の重い病気にかかる恐れがあります。体の傷とは異なり、目に見えない症状だからこそ、安易に回復したと自己判断しない姿勢が大切です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
川田さん
自分が過度な我慢をして生きていないか、一度考えてみてください。また、悩みやモヤモヤを誰かに共有し、気持ちを発散する場を設けているかを確認してみてください。自分の中だけにつらい状況を閉じ込めるのはよくありません。どうか自分の心に耳を澄ましてください。発症前に自覚できれば、回復にも余裕が持てます。症状が悪化してからでは回復までに膨大な時間がかかるため、早めに受診することが大切です。
編集後記
厚生労働省の発表によると、生涯のうちに約15人に1人がうつ病にかかるといわれています。しかし、治療を受けているのは全体の4分の1にとどまり、病院の受診に抵抗がある人が多いと推測されます。早期に適切な治療を受ければ、症状の改善が見込めます。精神疾患は特別な病気ではなく、誰もがかかる可能性のある病気です。自分だけで悩まず、医療機関への受診を検討してみてください。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております
※本記事は個人の体験談であり、症状や治療効果・副作用には個人差があります。必ず主治医の指示に従ってください
記事監修医師
別府 拓紀(こもれび訪問クリニック)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
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