ヨークシャーテリアに見られる黒皮症は「体質」に近い皮膚の特徴です

ヨークシャーテリアで見られる色素沈着と脱毛の組み合わせは、「黒皮症」あるいは「色素沈着と脱毛症」と呼ばれることがあります。この状態は、昔から知られているものの、詳しい仕組みについてはまだ分かっていない点も多い皮膚の特徴です。ただし、近年では発症する犬の数は減ってきているとも考えられています。
現在の知見では、この黒皮症は遺伝的な皮膚の体質が関係している可能性が高いとされています。食事やお手入れの仕方が直接の原因になるわけではなく、「その子がもともと持っている皮膚の性質」が大きく影響していると考えられています。
発症する年齢には特徴があり、生後6か月から3歳頃までの若い時期に気づかれることが多いです。ちょうど成長が落ち着き、被毛の質が変わる時期と重なるため、「急に毛が減った」「皮膚の色が変わった」と感じやすいのもこの頃です。オス・メスの差はなく、どちらにも起こり得ます。
見た目は変わっても、かゆみや痛みはなく元気なことがほとんど

この黒皮症の大きな特徴は、左右対称に脱毛と色素沈着が現れることです。とくに鼻筋、耳のふち、場合によってはしっぽや足先に、黒っぽい皮膚と薄毛・脱毛が見られます。皮膚の表面はツルッとして光沢があり、赤みやジュクジュク感はないことが特徴です。
飼い主さんが安心してよいポイントとして、この状態の犬はかゆみや痛みをほとんど感じていないことが挙げられます。掻いたり、舐め続けたりする様子がなく、元気や食欲も普段どおりで、全身状態はとても良好なことが特徴です。つまり、見た目の変化はあっても、犬自身がつらい思いをしているということではないのです。
皮膚の検査では、皮膚の表面がやや厚くなり、色素が増えている所見が確認されることがありますが、炎症や感染を示すような強い異常は通常見られません。この点からも、命に関わる病気や急いで治療が必要な皮膚病とは性質が異なることが分かります。
ただし、注意したいのは、黒皮症とよく似た見た目の変化が、別の皮膚トラブルによって起こることもある点です。たとえば、アレルギーや皮膚の炎症が長く続いた結果、皮膚が黒ずんだり毛が生えにくくなることがあります。この場合は、かゆみや赤み、ベタつきなどが同時に見られることが多く、純粋な体質による黒皮症とは経過が異なります。

