筆者の話です。
帰省中の食卓で、当たり前だと思っていた光景にふと手が止まりました。
その違和感の先に見えたものとは──。
止まる手
「え?」
息子夫婦が帰省してきた日。
食事が終わったあと、私は思わず手を止めました。
久しぶりに家族がそろい、食卓には煮物や焼き魚が並び、にぎやかな時間が流れていました。
孫の声に笑いが起こり、和やかな空気が広がっています。
そんな中、孫やお嫁さんは「いただきます」「ごちそうさまでした」と自然に挨拶をし、食べ終えた食器を自分で流しへ運んでいました。
違和感
その様子を見ながら、私も立ち上がり、食器をまとめ始めます。
テーブルの上の皿を重ね、残った料理にラップをかける。
いつもの流れのように、体が自然と動いていました。
キッチンに運び、水を流しながらふとリビングを見ると、夫と息子はテレビに目を向けたまま席を離れています。
「ごちそうさま」と声がかけられることもなく、そのままソファに腰を下ろし、くつろぐ様子でした。
気づけば「ごちそうさま」と声をかけて食器を流しへ運んでいるのは、孫とお嫁さんと私だけ。
何度も繰り返されてきた光景のように、違和感がありながらも手は止まりませんでした。

