猫が後ろをついてくるときの理由4つ
猫が後ろをついてくる行動には、猫の本能や学習、飼い主との関係性などが関わっています。後をついてくる4つの理由を知って、愛猫の気持ちに気づいてあげてください。
1.親愛と信頼(母猫代わり)
飼い主を母親のように慕っているパターンです。成猫になっても子猫のような行動が続く「幼形成熟(ネオテニー)」という状態で、人間に育てられた猫に見られます。特に母猫からの自立を学ぶ離乳前に引き離された早期離乳のケースでは、飼い主への強い依存を招く直接的なきっかけになります。
野生の猫は成長とともに母猫から離れて独り立ちしますが、飼い猫の場合、人間と暮らしていく中で、独り立ちのチャンスが起こりにくいのです。人間に世話してもらえることで、多くの猫にネオテニーの傾向が現れます。この心理状態にある猫は、母猫の移動を追いかける子猫時代の習性をそのまま持ち続けているため、飼い主の後ろをついて歩くのです。
2.要求や期待
「ごはんを食べたい」「おもちゃで遊びたい」という要求を満たすために、飼い主の後をついていく場合です。
猫は、空腹感というきっかけがあり →飼い主のそばに行くという行動をしたら →ごはんが出てきたという自分にメリットのある結果になった →なので、またついていくという行動を学習します。この結果、飼い主の後追い行動が強化されるのです。
この一連のパターンは、何度もくり返されるほど、行動の頻度が上がります。また、猫はおおまかな体内時計によって時間感覚があり、決まった時間に食事を与えていると、その時間が近づくと自発的に行動をはじめるようになります。
3.縄張り意識と監視
猫から見れば、家の中という空間だけでなく、飼い主の行動も自分のテリトリーで起きる変化のひとつです。もし、飼い主が部屋を移動するのであれば、それは猫のテリトリーの中で状況が変わるのと同じことを意味します。
猫はテリトリー内の変化には敏感なので、その変化を確認したり、管理したりするために飼い主の後ろをついてまわるのです。これはパトロールするのと同じような目的があって、猫が本来持っている「自分の縄張りを管理する」という本能から来ています。
特に飼い主が新しい物、たとえば宅配で届いた荷物などを開封するときや、ガタガタとクローゼットをひっくり返して衣替えをするときなど、猫はぴったりとそばについて右へ左へとついて回るでしょう。
4.ボディガード
猫も年齢を重ねるにつれ、共に暮らす飼い主をかけがえのない仲間・家族として認識するようになります。もはや単なる食事の提供者ではなく、一緒に生きる同志としてとらえるようになるのです。精神的に成熟した猫や世話焼きな性格の猫に、特によく見られます。
そうなると、猫はその大切な仲間を外敵から守ろうとします。もっとも、飼い猫にとっての外敵といえば、訪問客が押すインターホンの音や近隣の工事の音くらいのものかもしれません。それでも、トイレや風呂場など「水場や密室」として危険に映る場所へ飼い主が向かうときには、心配そうについてくることがあります。
「これは危ないぞ」と判断した猫が、飼い主の後ろからついていき、警戒態勢を取るのは、親が子を見守るような保護者目線からきているのです。
猫の後追い行動の注意すべきポイントと適切な接し方
猫が後ろをついてきてもたいていの場合は一時的なものですが、状況次第では注意が必要です。
空腹やトイレの汚れ、体調不良を訴えている場合もあります。ついてくるというよりも飼い主が聞いてくれないから後を追っているだけです。一方、高齢猫になると視力や聴力の低下による不安や、病気の苦しみから助けを求めている場合があり、日頃の観察が重要になります。
中でも、飼い主の姿が見えないだけで鳴き続けたり、粗相をしたりする場合は、分離不安症の可能性を確認してください。ひとりになるとパニックになり、飼い主の不在時に粗相や破壊行動をする場合は、獣医師による行動治療が必要かもしれません。
基本的には、猫の要求をよく検討することが必要です。足元に絡みついて邪魔であっても、むやみに叱らず、要求があるかどうか確認しましょう。食事やトイレ掃除で済むなら問題ありません。
一方、ふだんとは違ったおかしな様子が見られたら、動物病院で相談してみてください。また、最近は動物行動学の専門医が増えているので、分離不安症がひどい場合には、専門医を紹介してもらうのもよいでしょう。

