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犬の食物アレルギーは『二人三脚』で治す病気。飼い主と病院の連携が鍵になる理由【獣医師執筆】

犬の食物アレルギーは『二人三脚』で治す病気。飼い主と病院の連携が鍵になる理由【獣医師執筆】

なぜ食物アレルギーの診断は飼い主との協力が不可欠なのか

フードが入った食器のそばで伏せている犬

犬の食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎と見分けがつかないほど症状が似ています。国際的な獣医皮膚科の専門家グループが作成したガイドラインによれば、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は臨床症状だけでは区別できないとされています。

この診断の難しさこそが、飼い主さんとの密接な協力関係が必要な理由です。血液検査やアレルギー検査だけでは食物アレルギーを正確に診断することは現状困難とされています。現時点で唯一信頼できる診断方法は「除去食試験」と呼ばれるものですが、これは単なる検査ではなく、飼い主さんの生活全体に関わる長期的な取り組みなのです。

除去食試験では、愛犬がこれまで食べたことのない新しいタンパク質(例えば馬肉、カンガルー肉、鹿肉など)や、アレルギー症状が出ないように加水分解されたタンパク質を含む特別な食事を1〜2ヶ月ほど厳密に与え続ける必要があります。

この一連のプロセスは、獣医師が指示するだけでは絶対に成功しません。日々の食事管理、環境の整備、症状の細かな観察、これらすべてを実行するのは飼い主さんです。獣医師は診断と治療計画の立案、経過の評価を担当しますが、実際の治療の大部分は家庭で行われます。まさに二人三脚でなければ成し遂げられない診断なのです。

除去食試験を成功させるために避けるべき落とし穴

チュアブルタイプの薬を差し出されている犬

除去食試験の最大の課題は、飼い主さんが思いもよらない形で食物アレルギーの原因物質が愛犬の口に入ってしまうことです。ほんのわずかな量でも摂取するだけで、試験は失敗に終わります。床に落ちたパン屑や、他のペットの食器を舐めることさえも、結果に影響を与える可能性があります。

見落としがちなのが薬やサプリメントです。多くの薬やサプリメントには、飲みやすくするためにタンパク質ベースのコーティングやフレーバーが使われています。歯磨き粉の味付けや、薬を飲ませるためのゼラチンカプセルも同様です。ノミ予防薬やフィラリア予防薬の中にはチュアブルタイプのものがあり、これらも食物アレルギーの原因となる成分を含んでいる可能性があります。

食器やスコップを洗う際にも、以前使っていた食事のタンパク質が残っていないよう、十分に注意を払う必要があります。顔や口周りに症状が集中している場合は、念のため食器をセラミックやガラス製に変更することも検討する価値があります。

家族全員の協力も欠かせません。子供が食事中に食べ物を落としたり、家族の誰かがこっそりおやつをあげたりすることがあります。家族全員で話し合い、この診断がペットにとってどれほど重要かを共有することが成功の鍵となります。

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