「全部私が悪い」妹が壊れていく…
私の叫びも、今の恵美には届きません。彼女は虚空を見つめたまま、まるで自分を納得させるように呟きました。
「私がもっと、彼の気持ちを察してあげられたら……。私が暴れたから、彼も止めるために手が出ちゃっただけなの。全部、私が悪いの」
自分の妹が、目の前で壊れていく。 私はただ、彼女の冷え切った手を握りしめることしかできませんでした。
あとがき:愛という名の呪縛を解くために
「私がいなきゃダメなの」という言葉は、献身ではなく、自分を追い詰める呪文になってしまうことがあります。第三者から見れば明らかな暴力も、当事者にとっては10年という歳月が判断を狂わせる「日常」に。美幸が感じた、妹の手の冷たさは、恵美の心が凍りついている証拠そのものです。まずはその冷たさを認め、寄り添うことからしか救いは始まらない……そんな現実の厳しさを突きつける開幕です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

