「日本起源を強調するアカウントが増えているが、家禽ウズラや養殖真珠のような本物の世界史を変えた日本発明は褒めない」――。10日にXに投稿したこの一文が、大きな反響を呼んでいる。「日本すごい(ガチですごい)を布教したい」「過度な起源強調ではなく、地味だけど本物の貢献こそ静かに誇っていい」という知的で温かい議論が広がった。
「600年前に家畜化されたウズラ」
家禽ウズラは、現代において多種の家畜が存在するなかで、唯一日本で家畜化されたと考えられている動物だ。その飼養の歴史は600年前にさかのぼり、江戸時代には鳴き声を楽しむ愛玩目的での飼育が始まり、大正時代以降は採卵・食肉用の産業として発展した。
Xでは日本のウズラや日本で改良された食肉用鶏、ブロイラーへの再評価が広まった。
「うずらの卵は、生卵は蕎麦猪口に入れて味変、ゆで卵は八宝菜の具。世界を変えた」
「うずらたまご割とどこでも売ってます。すげえっす。キッコーマン、スーパードライなんかよりすごいかも」
「ほぼ毎日卵を産むブロイラーも日本が改良した。その品種が開発されるまで卵は高級食材だった」
「昔の映画で終戦直後の闇市で卵が一個15円で売られてるシーンがありました。確か昭和30年代に鶏が改良されて、それまで3日で1個だったのが毎日産めるようになったからでしたっけ」
養殖真珠の取引単位は今も「匁(もんめ)」
養殖真珠については御木本幸吉が1893年に5個の半円真珠の養殖に初めて成功し、その後1918年に真円真珠の養殖技術が完成した。「発明王」トーマス・エジソンも「真珠を発明されたことは、世界の驚異です」と絶賛したと伝わる。
「養殖真珠は宝飾品の世界を変えてる。真珠の単位が匁だし真珠市場や真珠漁を激変させている」
「養殖真珠の国際取引単位(重量)のひとつはMOMMEなのは有名。そうです!日本の旧尺貫法の重さの単位 匁(もんめ)です」
「なんならそれまでシェア独占してた海外から脅迫を受けてるのに、それを科学的根拠で一蹴したのもカッコいい」という声のように、御木本の功績の大きさを語る声も広まった。
QRコード・先物取引も
続いて他の「本物の日本発明」を挙げる声が連鎖した。
「最近だとQRコードだな。あの散々日本を馬鹿にしてる中国がQRコードに頼り切った社会作ってるからな」
「ですね。あと食品サンプルとか熱さまシートやホッカイロやパルスオキシメーターを褒めてもいないんですよね・・・」
「カップラーメンとリチウムイオン電池もね」
「電動アシスト自転車も。製品化したのはヤマハさんでしたね」
「それを言うなら(差金決済の)先物取引自体が日本の大阪商人の発明。シカゴなりニューヨークなりの先物取引所が開設される時『堂島米会所の歴史』を研究したと言う」
「缶コーヒーの発明はもっと知られてもいいですわ」
「過度な起源強調を超えて」
こうした議論の中で、英語圏ユーザーからも
「ネット上の人たちは『実は、酸素は日本で発明されたんだ 』なんて言うけど、本当に世界中に広まった驚くべき貢献については無視しちゃうんだよね」
「ナショナリズムはその国の本当に奇妙で地味な発明を無視するとき、最もユーモラスになる」
という声も上がった。
「真珠の養殖もウズラの家畜化もすごい事ですよね。起源を話す人はわかりやすいものしか興味がないかもしれないですね」という指摘が示すように、今回の議論が問いかけたのは「何を誇るか」ではなく「なぜその功績を知らないのか」という問いかもしれない。発明の価値は派手さではなく、それが日常に静かに根付いているかどうかだ、という気づきが、「Xやってると知識が増えるなァ」という素朴な声とともに広がっている。

