脳トレ四択クイズ | Merkystyle

雨の日が好きになるかも?7つの名画で知る雨の魅力

突然の豪雨・夕立を描いた作品

突然降り出す夕立や激しい雨は、街や自然の表情を一変させます。ルノワールらが描いた穏やかな雨とは対照的に、続いて紹介する作品では降りしきる雨そのものがはっきりと描かれているのが特徴です。

斜めに走る雨脚や打ちつけるような勢いが絵いっぱいに広がり、その場の緊張感や慌ただしさまで伝わってきます。思わず足を速めたくなるような瞬間や、自然の力強さを感じさせる場面となっています。

雨の絵④『大はしあたけの夕立』(歌川広重)

名所江戸百景 大はしあたけの夕立, Public domain, via Wikimedia Commons.

歌川広重の『大はしあたけの夕立』は「名所江戸百景」のなかでも特に有名な一枚です。隅田川にかかる”大はし”を、突然の夕立に見舞われながら渡る人々の姿が、西岸からの視点で描かれています。激しく降りしきる雨に、橋の向こうにある安宅(あたけ)地域はぼんやりとかすみ、ハッキリとは見えずに輪郭が分かる程度です。

橋を見下ろすような大胆な構図で、強まる雨脚を引き立てています。当時は雨を細い直線で表す技法は新鮮で、見る人に夕立の激しさを直感的に伝えました。傘を傾けたり、急ぎ足で進んだりと、人々の仕草からも突然の雨に慌てる様子も伝わってきます。

また本作は後にゴッホが模写したことでも知られ、時代や国を越えて多くの画家に影響を与えてきました。

雨の絵⑤『雨のオーヴェルの風景』(ゴッホ)

『雨のオーヴェルの風景』(ゴッホ), Public domain, via Wikimedia Commons.

フィンセント・ファン・ゴッホによる『雨のオーヴェルの風景』は、彼の没年にあたる1890年7月に描かれた油彩画です。舞台となっているのは、人生の最後の約70日間を過ごしたオーヴェル=シュル=オワーズ。広がる麦畑の上に斜めに走る暗い線で雨が描かれ、空と大地を結ぶように降りしきっています。

この雨の表現は日本の浮世絵、歌川広重の作品から影響を受けたともいわれています。地平線が高く引き上げられ、うねるような筆づかいや鮮やかな色づかいが、風景に強さと感情の動きを与えているのが特徴です。

どこか明るさを感じさせながらも奥に静かな緊張感があり、自然の姿とゴッホ自身の心の揺れが重なるように感じられます。

幻想的でドラマチックな雨を描いた作品

雨は現実の風景をそのまま描くだけでなく、ときに幻想的でドラマチックに表現されます。続いて紹介する作品では光やスピード、空気といった要素と重なり合いながら、雨が印象的に描かれています。

はっきりとした雨粒というよりも光や色の中ににじむような表現も多く、夢を見ているような雰囲気を感じさせるのが特徴です。

雨の絵⑥『雨、蒸気、速度―グレート・ウェスタン鉄道』(ターナー)

『雨、蒸気、速度―グレート・ウェスタン鉄道』(ターナー), Public domain, via Wikimedia Commons.

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーが1844年に描いた『雨、蒸気、速度―グレート・ウェスタン鉄道』は、激しい雨と霧のなかを突き進む蒸気機関車の姿を描いた作品です。

ロンドンとイングランド西部、さらにウェールズへとつながるグレート・ウェスタン鉄道は、世界最大の鉄道として当時注目を集めていました。その象徴ともいえる黒い機関車が、テムズ川に架かる橋の上を勢いよく走り抜けていきます。

絵では横殴りの雨と立ちこめる蒸気によって、蒸気機関車の輪郭があいまいになることでスピード感が強調されています。遠近感を大胆に効かせた構図も相まって、こちらに迫ってくるような迫力です。

ターナーが好んだ黄色の色味が蒸気や光ににじむように使われているのも印象的で、単なる雨の風景というより、空気やエネルギーそのものを描こうとした一枚といえます。

雨の絵⑦『太陽光線と夏のにわか雨』(イーヴリン・ド・モーガン)

イーヴリン・ド・モーガン 「太陽光線と夏のにわか雨」 (1910-1914), Public domain.

イーヴリン・ド・モーガンによる『太陽光線と夏のにわか雨』は光と雨という対照的な存在を物語のように描いた作品です。右側の女性は座りながら腕で顔を覆い、迫りくる暗雲を避けようとしているように見えます。

一方で左側の女性は、雨雲をまといながら空を舞い、こちらへ近づいてくる存在として描かれています。目を閉じた穏やかな表情からはただの脅威ではない、どこか静かな力を感じさせます。雨や虹の流れるような色彩も幻想的です。

モーガンはイギリス・ラファエル前派の女性画家で、神話や象徴的なテーマを通して社会的なメッセージを表現することを好みました。確かな描写力に加え、色や構図のセンスの良さも際立っています。当時数少ない女性画家として活躍し、象徴主義的な作風でも評価される彼女の作品には、自然現象を超えた意味や感情が丁寧に描かれているようです。

配信元: イロハニアート

提供元

プロフィール画像

イロハニアート

最近よく耳にするアート。「興味はあるけれど、難しそう」と何となく敬遠していませんか?イロハニアートは、アートをもっと自由に、たくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディアです。現代アートから古美術まで、アートのイロハが分かる、そんなメディアを目指して日々コンテンツを更新しています。