MLB公式サイトは11日(日本時間12日)、今季第1回目となる識者らによる新人王(ルーキー・オブ・ザ・イヤー=ROY)の模擬投票結果を発表した。ア・リーグではホワイトソックスの村上宗隆内野手(26)が1位に選出され、ブルージェイズの岡本和真内野手(29)も4位にランクイン。2026年シーズン、海を渡った日本人スラッガーたちがメジャー1年目から強烈なインパクトを残している。
同サイトのジェイソン・フォスター記者が公開した今回の企画は、MLBの専門家パネルによる投票で現時点での新人王レースを占うものだ。並み居る若手有望株(プロスペクト)たちを抑え、ア・リーグ部門のトップに立ったのは村上だった。
記事内では、メジャーのトップクラスの投手たちに全く引けを取らない村上のアプローチと、規格外の長打力が高く評価されている。さらに、ブルージェイズで主軸を任されている岡本についても、メジャーの環境に素早く適応し、持ち前の勝負強さで打線を牽引している点が4位という高評価に繋がった。
開幕からここまで、村上は日本で「三冠王」を獲得した圧倒的なポテンシャルをいかんなく発揮している。このままのペースで本塁打や打点を量産し続ければ、ア・リーグ新人王のタイトルを獲得する可能性は高い。
しかし、村上がこの調子でトップを走り続けた場合、米国で避けて通れないのが「他国リーグのプロ経験者に対する新人資格の是非」という議論の再燃だ。
現在のMLBにおける新人王の資格は「メジャーリーグでのプレー経験」のみを基準として定義されている。そのため、1995年の野茂英雄、2000年の佐々木主浩、2001年のイチロー、そして2018年の大谷翔平とNPBでの実績が十分な選手たちが同賞を獲得するたびに「彼らは真の意味でのルーキーではない」という批判が繰り返されてきた歴史がある。
ここで立ちはだかるのが、新人王が「全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者の投票」によって決まるという事実である。
記者の中には「ハイレベルな他国プロリーグでの経験は考慮されるべき」という厳格な考えを持つ者も一定数はいる。とりわけこの問題が大きくクローズアップされたのが、2003年に松井秀喜がアンヘル・ベローアと新人王を僅差で争い、タイトルを逃した時の論争だ。当時、ミネアポリス・スター・トリビューン紙のジム・スーハン記者は「(日本での)経験をなかったことにするのは、日本球界への侮辱になる」と主張し、松井をルーキーとして評価しなかった。
こうした背景から、実際の記者投票においては、マイナーリーグから這い上がってきた「純粋なルーキー」と、日本での実績がある選手が「同じぐらいの成績」であった場合、純粋なルーキーの方に票が流れやすい(有利になる)という見られ方が根強い。
一方で、この批判に対しては明確な反論も存在する。「過去のプロ経験の有無で区別すべきではない」という声だ。なぜなら、新人王の賞の名称(ジャッキー・ロビンソン賞)の由来となっている初代受賞者ジャッキー・ロビンソンをはじめ、ドン・ニューカムやサム・ジェスローといった過去の受賞者たちも、MLB入りする前にニグロリーグでのプロ経験を持っていたからだ。彼らもまた、厳密な意味での「純粋なルーキー」とは言えなかった背景があり、この議論は常に平行線をたどっている。
村上や岡本は、NPBですでにスーパースターとしての地位を確立し、酸いも甘いも噛み分けた「完成されたプロフェッショナル」として海を渡っている。彼らの活躍が際立てば際立つほど、地元ファンや一部のメディアを中心にこの「ルーキー論争」が白熱していくことは確実だ。
記者投票という独特の力学の中で、同成績なら不利に働く可能性もあるNPBでの実績。それを完全にねじ伏せるためには、純粋なルーキーたちを全く寄せ付けないほどの、圧倒的な数字を残すしかない。

