あくびがうつる理由とは?メディカルドック監修医があくびが出る原因・うつる理由・異性のあくびについて解説します。

監修医師:
関口 雅則(医師)
浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。
あくびが出る原因

あくびは眠気や退屈だけでなく、脳の体温調節、自律神経の変化、薬剤の影響などが複合的に関わって起こると考えられています。通常は生理的な現象ですが、頻度が急に増えた場合には注意が必要です。頭痛やめまい、しびれなどの症状を伴う場合には、脳や睡眠の病気が背景にある可能性も否定できません。ここでは、比較的根拠が示されている主な原因について、ポイントをしぼって解説します。
眠気・睡眠不足
睡眠時間が不足したり、睡眠の質が低下したりすると、日中の強い眠気とともにあくびの回数が増えることが知られています。また、実験的な研究や総説でも、覚醒レベルが低く眠気が強い状態であくびが出やすいことが示されています。あくびが続くときは「脳が疲れてきているサイン」と考えて休息を意識することが大切だと解釈できるでしょう。
退屈・単調な環境
刺激の少ない会議や単調な授業などでは、興味があってもなくても、脳の活動が落ちて覚醒度が低下しやすくなります。その結果として眠気が高まり、あくびが出やすくなります。「退屈だから」だけでなく「単調な環境が続くこと」もあくびを招く重要な要因です。
脳の体温調節(脳冷却仮説)
あくびの直前に脳の温度が上昇し、あくびの直後に低下するという報告があります。このことから「あくびは脳を冷やして状態を整える役割がある」とする仮説が立てられました。
この「脳冷却仮説」は、人や動物の研究で一定の支持を得ています。あくびが単なる酸素不足ではなく、体温調節と関連する可能性が示されているのです。
ストレス・緊張・自律神経の変化
あくびの前後には、心拍数や血圧など自律神経系の指標が変化することが報告されています。また、心理的ストレスと関連する状況であくびが見られるという指摘もあります。一方で、これらがどの程度あくびに関わっているかは、まだ仮説の段階であり、明確な因果関係は十分に解明されていません。
薬剤・基礎疾患
一部の抗うつ薬(SSRIなど)や中枢神経に作用する薬剤では、副作用としてあくびが増えることが報告されています。
一方で、多発性硬化症や片頭痛、てんかん、パーキンソン病などの神経疾患に伴い、通常より頻度の高いあくびが見られることもあります。このように、「いつもと違う多さ」の場合は薬や病気の影響も考慮が必要です。
あくびがうつることはあるの?

他人のあくびを見聞きすると、自分もつられてあくびをしてしまう現象を「伝染性あくび」と呼びます。
動画や写真を用いた実験で、一定の割合の人にあくびがうつることが確認されました。ヒトだけでなくチンパンジーや犬などの社会的動物でも同様の現象が報告されています。
すべての人に同じように起こるわけではありません。年齢や発達、神経疾患の有無などによって、うつりやすさが変わる可能性も指摘されています。

