「待ちのお客様がいる中で食後にちいかわをテーブルで広げて遊び始めたお客様がいたので、今後、ちいかわの入店を禁止いたします」――。茨城県にあるラーメン店が13日に投稿したこの一文が、大きな話題となっている。ぬいぐるみを外出先に持ち出して写真を撮る「ぬい活」が浸透するなか、飲食店での振る舞いをめぐるTPO問題が改めて浮かび上がった。
実は同種の投稿は今月2日にも起きていた。都内の人気パブ店が「個人の趣味趣向にとやかくいうつもりはありませんが、諸事情鑑みて、ちいさなお子様を除き原則ぬいぐるみやキャラクターグッズの食卓への展開は禁止させていただく事になりました」とXに投稿。この投稿は“大バズり”し、アンチやヘイトも多数寄せられたため投稿自体は削除。しかし「ならぬことはならぬものです」の精神として、8日ごろにインスタグラムで改めてルールを告知した。飲食店側がぬい活の扱いを明文化する流れは、今回のラーメン店の投稿で改めて注目された。
「食後ですか!?!?」「悪いのは客なのに」
今回の投稿にXでは笑いと共感が入り交じった反応が広まった。
「お客様の事はきらいになっても ちいかわの事はきらいにならないでください!」
「ちいかわは冤罪」
「ちいかわのせいじゃなくマナーのない客が悪いのに、店主さんが我慢の限界来てるの伝わってきます」
「食後ですか!?!?それは禁止してください…あまりにも… 私もぬい撮りしますが食べる前に一瞬2〜3枚撮ってしまいますよ 食後に!?!?広げて遊んで!?!!」
「ちいかわ」を名指しした禁止のシュールさを指摘する声も多かった。
「ぬいぐるみ全般じゃなくてちいかわ名指し出禁なの笑う」
「ぬいぐるみ全般じゃなくて、ちいかわの入店禁止。よほどの客だったのだろうか。店主の苛立ちが伝わってくる」
「ちいかわぬいさえ持ってこなきゃオーナー自体は入れるの、慈悲深い」
「今後、ちいかわのぬいぐるみを広げる行為を禁止いたします が正しいんだよね、これは」
ぬい活ファンの視点からも
「悪いのは客なのにちいかわ出禁で草」
「急にぬいぐるみ出されたら引くもんな」
「ちいかわ出禁はちょっと面白い」
と現実的な反省の声が見られた。
ぬい活ユーザーの5割以上が「周囲の視線が気になる」
こうした騒動の背景に、ぬい活ユーザーが抱える「場所ごとのルールがわからない」「周囲への配慮をどうすべきか」という不安もある。ぬい活アプリ「ぬいまっぷ」を運営するホシカルが5月7〜8日にぬい活経験者168人を対象に実施した調査によると、外出時のぬい活での困りごととして「周囲の視線が気になる」と回答した人が52.4%と最多だった。次いで「写真を上手に撮れない」(40.5%)、「場所ごとのルールがわからない」(39.9%)が続き、飲食店や宿泊施設に期待する対応としては「ぬい活OKのお店・施設としての表示」が68.9%と最多だった。
ぬい活ユーザーが「自由に好きなことをしたい」のではなく「店舗や周囲の人に配慮しながら安心して楽しみたい」という意識を持っていることが、この調査から読み取れる。今回のラーメン店の投稿が「ちいかわのせいじゃなくマナーのない客が悪い」という共感を生んだのも、こうした多くのぬい活ユーザーが持つ節度ある意識との対比で、より際立って見えたのかもしれない。飲食店と客の双方が、どう折り合いをつけていくのか。まだまだ論議は続きそうだ。

