倒れた人を見かけたら? 正しい応急処置と「迷わず救急車」を呼ぶ基準
編集部
失神が起きた場合、周囲の人はどのように対応すればよいのでしょうか?
伊藤先生
まずは安全確保を最優先におこないます。次に呼びかけて反応を確認し、反応がなければ119番通報とAEDの手配をおこないます。呼吸がない、または異常な呼吸の場合は、すぐに胸骨圧迫を開始します。呼吸がある場合は横に寝かせ、足を少し高くして安静にします。
編集部
どのような場合に救急車を呼ぶべきなのでしょうか?
伊藤先生
「意識が1分以上戻らない場合」「胸痛や麻痺がある場合」「けいれんを伴う場合」「頭を強く打った場合」などは救急要請が必要です。また、「短時間に繰り返す場合」や「心臓病の既往がある場合」も、迷わず救急車を呼ぶべきです。救急車を呼ぶ際、倒れる直前の様子や前兆、意識消失の時間、顔色、けいれんの有無などは診断に重要な情報なので覚えておくようにしましょう。可能であれば動画を撮影しておくことも有用ですね。これらの情報は検査と同じくらい重要な手がかりになります。
編集部
失神を経験した場合、どのような医療機関を受診すべきでしょうか?
伊藤先生
まずは循環器内科を受診することが基本です。命に関わる心臓の原因を最優先で除外する必要があります。けいれんや神経症状がある場合は脳神経内科、軽症の場合は一般内科でも対応可能です。
編集部
失神を予防するために、日常生活で気をつけることを教えてください。
伊藤先生
反射性失神や起立性低血圧の場合は予防が可能です。「急に立ち上がらない」「水分を十分にとる」「前兆を感じたらすぐにしゃがむ」などが有効です。一方で、心臓が原因の場合は医療的な治療が必要となるため、専門医の診察が重要です。
編集部まとめ
失神は一時的な血流低下によって起こることが多く、必ずしも危険な状態とは限りません。しかし、その中には心臓の異常による命に関わる失神が含まれていることもあります。特に前触れのない失神や運動中の発症は注意が必要です。一度だけだからと放置せず、まずは循環器内科で原因を確認することが安心につながります。本稿が、失神を正しく理解し、適切に行動するきっかけとなれば幸いです。

