下の血圧が100を超えたときに考えられる原因
下の血圧が高いとは、心臓が休んでいる拡張期にも血管に高い圧が続く、ということです。とくに末梢血管抵抗が上昇することで、下の血圧が高くなります。末梢血管抵抗が上昇する理由を以下に示します。
末梢血管の硬化
体に張り巡らされている細い動脈(細小動脈)の壁が厚くなったり、血管のしなやかさが落ちて内径が狭くなったりすると、血液が流れにくくなります。
その結果、拡張期の圧が下がりにくく、高いままが続くようになります。
生活習慣の乱れ
交感神経が亢進することで、血管を収縮させる方向に働きます。
長く続くと末梢血管が硬くなり、末梢血管抵抗が上がることで、下の血圧が高くなります。
自律神経の乱れ
生活習慣の乱れと同様に、自律神経のバランスが崩れるとレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(血圧や体液量を調節するホルモン系)が活性化されます。
そのため、血管が収縮し、血圧の上昇を来たします。
腎臓や甲状腺の病気
二次性高血圧といわれるタイプのことで、以下のような原因があります。
・腎実質疾患・腎動脈狭窄
・甲状腺機能異常
・原発性アルドステロン症
・褐色細胞腫
これらの病気では、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(血圧や体液量を調節するホルモン系)が活性化することで、
・体の水分量が増える
・血管収縮する
ことにより、下の血圧が上昇します。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、夜間に何度も無呼吸を繰り返す病気です。
無呼吸になると血液中の酸素が少なくなり、それを補おうとして交感神経が亢進し、血圧が高くなります。
この状態が続くと、拡張期血圧が高くなりやすいとされています。
血圧測定で下の血圧が100を超えた場合に気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「下の血圧が100を超えた」場合に気を付けたい病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
高血圧
血圧が高い状態が持続している病気です。高血圧は、以下の基準のいずれかを満たすと診断されます。
診察室血圧:140/90mmHg以上
家庭血圧:135/85mmHg以上
上下どちらか片方だけでも「高血圧」と診断されます。
原因
多くの場合、明らかな原因はありませんが、以下の要因が複合的に関与して発症します。
塩分過多の食事
遺伝的要因
生活習慣(運動不足・喫煙・飲酒など)
加齢
一方、二次性高血圧といって、以下のものが原因となるタイプもあります。
腎臓の病気
ホルモンの異常(内分泌疾患)
薬剤(NSAIDs、甘草製剤、交感神経刺激薬、グルココルチコイド(ステロイド)、シクロスポリンなどのカルシニューリン阻害薬、エストロゲン製剤、一部のがん分子標的薬など)
治療と受診
治療の基本は、食事(減塩、低脂質など)、運動といった生活習慣の見直しです。それでも改善が不十分な場合や、動脈硬化リスクが高い場合には、血圧を下げる薬による治療(降圧薬)を行います。
二次性高血圧では、原因となる病気の治療が第一になります。高血圧は自分で気づかないうちに進行する可能性があるため、症状がなくても、内科の受診が勧められます。
脳卒中
脳卒中は、以下の3つに大きく分けることができます。
脳の血管が詰まる:脳梗塞
脳の血管が破れて出血する:脳出血
脳を包む膜の間(くも膜と軟膜の間)に血液がたまる:くも膜下出血
主な症状
共通して見られやすい症状は、以下の通りです。
意識障害
手足の麻痺
ろれつが回らない・言葉が出ない
めまい・ふらつき
とくにくも膜下出血では、突然の今までにない激しい頭痛が特徴的です。
緊急時の対応
脳卒中は一刻を争う病気なので、症状があれば以下の対応が必要です。
夜間、休日であっても救急車の要請
脳神経内科・脳神経外科のある専門病院を救急受診
心筋梗塞
心臓を栄養している動脈(冠動脈)が突然詰まってしまう病気です。以下のプロセスで発症します。
冠動脈内のプラーク(コレステロールのかたまり)が破綻
破綻したところに、血栓(血のかたまり)が付着して血管を塞ぐ
発症の背景
動脈硬化を起こすような、以下の背景があると起こりやすいとされています。
高血圧
糖尿病
脂質異常症
喫煙
家族歴
主な症状と受診
症状としては、以下のものが典型的です。
突然の胸痛・胸の締めつけ感(絞扼感)
数分〜15分以上続く痛み
数分でよくならない突然の胸痛があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。循環器内科で、カテーテル検査・治療などの専門的治療が必要になります。
慢性腎臓病(CKD)
腎臓の働きが徐々に低下していく病気です。
主な原因
高血圧
糖尿病
加齢による変化
腎炎
遺伝性の腎疾患
治療と進行
高血圧や糖尿病をきちんとコントロールし、減塩を中心とした食事療法を行うことで、腎機能低下の進行を遅らせることができます。
悪化すると人工透析が必要になることもあるため、早めの予防と治療が重要です。
受診の目安
以下のいずれかに該当する場合は、腎臓内科の受診を検討しましょう。
健康診断で:腎機能の悪化や尿たんぱくを指摘された場合
症状として:尿が少ない、むくみやすいがある場合

