これは、私の友人・A子から聞いた話です。夫のことをわかっているつもりで、何もわかっていなかった——荷物ひとつが、そのことをそっと教えてくれた出来事でした。
「パパ、なんか届いてるよ」
それは何気ない土曜日の午後のこと。
娘が宅配便の荷物を抱えて「パパになんか荷物が届いてる」とリビングに持ってきました。
差出人の欄は、家族の誰も知らない個人名。住所は隣の市です。
夫はその日、外出中。
連絡すると「開けといて」とだけ返信が来て、それ以上の説明はなし。
「一体何が入っているんだろう?」と、娘と一緒に開封しました。
箱の中身は
箱の中に入っていたのは、色とりどりの手書きの封筒と、大きな寄せ書きでした。
「いつもありがとうございます」「また来てね」「〇〇くんが笑ってた」「大好き」
丸くて大きな文字、不揃いなひらがな。
子どもたちが書いたとわかる文章が、びっしりと並んでいました。
娘が「ねえ、これ誰から?」と首をかしげる横で、私はしばらく言葉が出ませんでした。

