一緒に長く過ごしていると、相手のことを「こういう人」と決めつけてしまうことがあります。些細な変化を見逃さないよう、心の奥にある本音に、いつでも耳を傾けたいものですね。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。
当たり前だと思っていた姿
夫は昔から前向きで、滅多に弱音を吐かない人でした。
どんなときも自信に満ちた、頼れる存在。
私はいつしか、夫を「何があっても折れない心を持つ人」のように思っていました。
仕事のトラブルも家庭の悩みも、夫に相談すればなんとかなる。
そんな安心感に甘え、私は毎晩のように仕事の愚痴や子育ての悩みを夫にぶつけていました。
ひとしきり聞いてもらって、自分だけスッキリして眠りにつく毎日。
無意識に「支えてもらう側」に立ち続けていたのです。
深夜のキッチンで見た姿
ある夜、喉が渇いたという娘に起こされ、暗いキッチンへ向かったときのことです。
そこで目にしたのは、背中を丸めて静かに肩を震わせている夫の姿でした。
娘の『パパ、泣いてるの?』という声に、夫は慌てて涙を拭い、無理に笑おうとしました。
そのとき初めて、夫が一人で戦っていたのだと気づいたのです。
仕事の重圧に耐え、家族を養い、私の愚痴を受け止める……。
私は夫に支えてもらうことばかりを求め、夫の心がどれほど疲弊しているかに無頓着でした。

