「痩せたい」のにダイエットが続かない…500人の調査で判明した“挫折する3つの原因”と数値を下げる方法【医師監修】

「痩せたい」のにダイエットが続かない…500人の調査で判明した“挫折する3つの原因”と数値を下げる方法【医師監修】

「健康のために痩せなきゃ」と思いつつ、つい先延ばしにしていませんか? 今回、30~60代を中心とした一般の方519名を対象に、体重管理に関する意識調査を実施しました。調査で見えてきたのは、病気予防への高い関心がありながらも、約3割の人が管理を一度も経験していないという理想と現実のギャップでした。なぜ私たちは「管理の壁」を越えられないのか。アンケートから浮かび上がった挫折の正体と、無理なく健康な体を手に入れるためのヒントを大坂先生に詳しく伺いました。

※2026年4月取材。

大坂 貴史

監修医師:
大坂 貴史(医師)

京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学大学院医学研究科修了。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・糖尿病・代謝内科学講座 客員講師を務める。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医。

Q1.これまでに、健康や体型維持のために「意識的な体重管理」をおこなったことがありますか?

これまでに、健康や体型維持のために「意識的な体重管理」をおこなったことがありますか?

編集部

まずは体重管理の実施状況ですが、「現在継続している人(29.3%)」に対し、「これまで一度もおこなったことがない人」が31.0%にのぼります。3人に1人は手つかずの状態という結果ですが、この数字を医師としてどのように受け止められますか?

大坂先生

この31%の中には「肥満/肥満症だけれども放置をしている人」「そもそも体重管理が必要ない人」が含まれています。後者の存在は肥満/肥満症が以下に遺伝的な要素があるのかということを示唆していると思います。

「肥満」と「肥満症」を混同せず、その違いを正しく理解することは、将来の健康を守る上で極めて重要です。医学的に「肥満」とは、単に体脂肪が過剰に蓄積した状態、具体的にはBMIが25以上の体格を指す指標に過ぎません。これに対し「肥満症」は、肥満によって糖尿病や高血圧、脂質異常症などの健康障害が引き起こされている、あるいは内臓脂肪の蓄積により将来的に疾患のリスクが高い状態を指す、明確な「克服すべき病気」なのです。

この状態を放置すると、いわゆる「メタボリックドミノ」が進行します。過剰な脂肪から分泌される物質がインスリンの働きを妨げて血糖値を上昇させ、血管に慢性的な負担をかけることで、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる疾患のリスクが跳ね上がります。また、体重による物理的な負荷は膝や腰の関節障害を招き、睡眠時無呼吸症候群など、QOL(生活の質)を著しく下げる要因にもなります。

「単なる肥満」と捉えているうちは、対策が美容目的のダイエットに留まりがちですが、「肥満症」という病気として認識することで、医学的な根拠に基づいた治療へと意識が切り替わります。内臓脂肪の蓄積を早期に把握し、適切な医療介入を受けることが、重大な合併症を防ぐために重要です。

Q2.あなたが「痩せたい(体重を管理したい)」と思う目的は何ですか?

Q2.あなたが「痩せたい(体重を管理したい)」と思う目的は何ですか?

編集部

痩せたい目的の回答としては「生活習慣病の予防や数値改善(48.0%)」がトップ、次いで「疲れにくい体になりたい、膝や腰の負担を減らすため(42.2%)」でした。健康への意識は高いようですが、一方で「医師に指摘されたため」という回答はわずか8.9%に留まっています。この意識と行動の乖離について、医師の視点から解説をお願いします。

大坂先生

生活習慣病の予防や体の負担軽減を願う声が多い一方で、医師の指摘をきっかけに行動する方が一割に満たないという事実は、現代の予防医学が直面している大きな課題を浮き彫りにしていると思います。この意識と行動の乖離が生じる最大の要因は、いわゆる生活習慣病が「沈黙の病(サイレントキラー)」と呼ばれ、かなり進行するまで自覚症状がほとんど現れない点にあります。

多くの方が「まだ自分は大丈夫」と過小評価しがちですが、痛みやしびれといった症状が出てからでは、血管のダメージや合併症がすでに深刻化しているケースが少なくありません。医師に指摘されるのを待つことは、いわば火の手が上がってから消火活動を始めるようなものであり、本来であればその手前の「ボヤ」の段階で対処すべきなのです。

健康診断の結果と向き合うときも、判定のアルファベットだけに一喜一憂するのではなく、数値の推移に目を向けることが重要です。たとえ基準値内であっても、数年前と比べて血糖値や血圧がじわじわと上昇しているのであれば、それは体からの貴重なサインです。特にBMIが25を超え、かつ健診で軽微な異常が見られ始めたタイミングは、最も効率的に未来の病気を回避できる絶好の機会といえます。

受診を検討するタイミングは、「体調が悪くなってから」ではありません。「体重が数年前より5kg以上増えたまま戻らない」、あるいは「家族に生活習慣病の方がいて自身の体型変化が気になる」といった段階で、一度専門医を訪ねてみてください。医師の役割は単に薬を処方することではなく、医学的な根拠に基づいて無理のない改善計画をともに立てることにあります。自覚症状という決定的な異変が起きる前に専門家を頼ることが、結果として膝や腰の健康を維持し、生涯にわたって元気な体を手に入れるためにとても大切です。

配信元: Medical DOC

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