6年間付き合った彼氏にフラれた上に、こんな一言でとどめをさされたナナコ、27歳。
これでナナコは、一気に闇落ちしてしまいました。いつものように、愚痴るための裏アカに思いの丈を投稿したら、翌朝、とんでもないことに――。
『このハナシ、つづきは墓場で。』(ぼめそ著、KADOKAWA、2026年4月)は、空虚感を埋めるための行動が巻き起こす、人生の転落劇です。著者はぼめそさん。体験談を元にした、ほぼノンフィクションの漫画を手掛けています。

SNS上の、もうひとりの私
本気の恋だと確信していたのに、彼氏にとっては単に“体だけは最高な女”だった――ナナコが思わずXにぶちまけた元カレへの愚痴が、プチバズを引き起こし、束の間の高揚感をもたらしました。一方で、こんな批判コメントも相次いだのです。
〈絶対身体が良いとか言われてないだろw〉
〈証拠写真もないしw絶対ブスだろww消えろブス〉
普段なら無視するだろうこんな挑発にも、お酒の酔いと意地が手伝って、つい、ナナコは下着姿のセクシー写真を自撮りして投稿してしまいます。
これが通知音鳴りまくりの大バズリ。彼氏によって剝奪された承認欲求を、全回復させたのです。もうひとりの自分である「ウララ」(裏アカウント名)が爆誕した瞬間でもありました。
〈エロすぎ〉〈更新楽しみすぎる〉〈即フォローした〉秒でフォロワー数が増え、みるみるうちに6000人を突破します。顔こそ晒していないものの、フォロワーのリクエストにこたえて、日増しにエロさ全開、過激になっていくウララ――。
















ウララがひとり歩きしていく
セクシー写真がバズったウララのもとには、DMでプレゼントが届いたり、誘いの声がかかるようになります。元彼の「身体だけは最高だよな」の言葉がひっかかって躊躇していたナナコ。ですが、裏アカ界隈の有名人「スズヤ」からの誘いは断れませんでした。スズヤに興味を持たれた自分が、誇らしかったのです。
やがてウララも、裏アカの世界で有名人になっていきます。顔出しをしてオフ会に参加すれば、方々から注目され、称賛される日々。
でも、注目されれば、負の有名税はつきものです。ねたみ、そねみ、誹謗中傷など悪意に満ちた投稿が拡散されていきました。やがてウララは見世物状態になり、身動きができなくなってしまうのです。
ナナコであって、ナナコではない。でも、自分が作り上げたウララはキラキラと輝き、ナナコを生き返らせたのも事実。しかし、架空のウララを生きるには無理があります。また、有名人のスズヤにも、衝撃的な秘密や悪癖があることが発覚しました。
憔悴しきったナナコが選んだのは、“普通”に戻る道でした。

