17日に放送されたNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合ほか)の第19回で、主人公の羽柴小一郎長秀(仲野太賀)が、ずっと心を閉ざしてきた妻・慶(吉岡里帆)と初めて気持ちを通い合わせた。慶を抱きしめながら涙を流す小一郎の姿に、多く視聴者が連続テレビ小説「虎に翼」(2024年)を盛り上げた佐田優三(仲野)を思い出し、SNSに「優三さんの面影」「『虎に翼』のときの優しい旦那さまを思い出す」などのコメントが寄せられた。
「豊臣兄弟!」とは?
豊臣秀長(仲野)を主人公に、天下人となる兄・秀吉(池松壮亮)を補佐役として支えた弟の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
目に涙をため、慶(吉岡)を抱きしめて「ありがとう」
慶は、激動の時代を生き抜き、やがて兄嫁の寧々(浜辺美波)とともに豊臣兄弟を支える存在となるが、前夫・堀池頼広を戦で亡くしており、そのきっかけを作った小一郎や、織田家の面々を憎んでいる。また金で男を漁っている女狐とのウワサもあり、小一郎とは仮面夫婦のまま。謎が多い存在として描かれてきた。
この日の放送で、慶の密会現場を目撃した家臣の藤堂高虎(佳久創)から、相手の男がどこかの武将の間者ではないかと忠告された小一郎が、慶に相手の素性を問いただすも、答えが得られぬまま慶が姿を消した。入れ替わるように噂の密会相手である村川竹之助(足立英)が現れ、慶の抱える悲しい事情を小一郎に教えた。慶には前夫との間に産まれた息子・与一郎(高木波瑠)がおり、離れた村で、祖父母の頼昌(奥田瑛二)と絹(麻生祐未)によって育てられていた。頼昌は、斎藤家の重臣だった頼広が織田軍との戦いで命を落としたことを恨んでおり、慶が織田に下った実父・安藤守就(田中哲司)に従って息子の仇である織田家臣の小一郎に嫁いだことを許していなかった。慶が「密会」していたのは、頼昌と同じ村で暮らす竹之助から息子の様子を聞くためだった。
小一郎は与一郎を引き取って、頼昌と絹も迎え入れるつもりで村へ出向いた。そこで直談判するが、頼昌らはかたくなに拒否し、事情を知って駆けつけた慶も「勝手な真似をするでない! なぜ与一郎をお主の跡目にせねばならんのじゃ!」と激怒した。小一郎は、ただ慶と与一郎が一緒に暮らせればそれでよいとなだめ、なぜそこまでしてくれるのかと不思議がる慶に、亡き前妻・直(白石聖)との関係を明かした。そして慶にとって与一郎は、自分にとっての直のようにかけがえのない存在なのだろうと寄り添った。慶は「与一郎を…抱きしめとうございます!」とようやく本心を打ち明け、小一郎の前で初めて涙を流した。
頼昌は、再度訪ねてきた小一郎を追い返そうとして矢を向けた。そこへ慶が駆けつけて止めに入り、与一郎は渡さないという義父に、慶は与一郎に恨みを晴らさせるようなことはやめてほしいと懇願した。憎しみだけで生きていく苦しみを息子には味わわせたくないとし、気持ちが済まないなら自分を討ってくれと訴えた。息子の刀をとって斬りかかろうとする頼昌を与一郎が制止。親孝行したいと笑顔を見せる与一郎の言葉を受け、頼昌は小一郎に孫を託した。小一郎も「必ずや頼広殿のような立派な武将にお育ていたしまする!」と約束した。
小一郎は、与一郎を城に迎え入れ、慶と親子3人で暮らし始めた。与一郎は小一郎のことを恥ずかしがりながらも「父上」と呼ぶようになり、2人きりになると、小一郎は慶に頼んだ。「1つだけ約束してくれ。この先は、たとえ誰かを守るためであっても、自らの命と引き換えにするようなことは言わんでくれ。わしはそなたが大切なのじゃ。このわしが必ずうまくいく道を見つけてみせる。わしを信じてくれ」。慶は濁りのない目でまっすぐ夫を見つめると、「はい、小一郎さん」と手を取って胸にあて「この命、あなたにお預けいたします」と答えた。小一郎は慶を抱きしめ「ありがとう」と言って泣いた。
仲野と同局の作品で最も記憶に新しい役といえば、間違いなく「虎に翼」の優三。視聴者の間で「優三さん」の愛称で親しまれた愛すべきキャラクターで、第40回(2024年5月24日放送)で優三は、妻の寅子(伊藤沙莉)と、まだ幼い一人娘・優未を残して出征した。別れ際、渾身の“変顔”で不安と悲しみを振り払おうとする寅子に対し、自らも精いっぱいの変顔を返し、目いっぱいに涙をためながら「いってきます!」と歩き出した場面は、多くの視聴者の涙を誘い、朝ドラ史に残る号泣シーンの1つとして語り継がれている。
この日の小一郎の涙に優三さんを重ねたドラマファンは多く、SNSには、
「ちょっと優三さんの面影」
「笑いあった時の笑顔が優三さんが出征していく時の場面を思い出したよ」
「小一郎が泣くシーン、虎に翼の名シーンの顔と似ててまた泣かされた」
「仲野太賀秀長の泣き笑い顔は、虎翼以来でござるな」
「泣き方が優三さんで私も泣く」
「太賀が泣くと優三さんがチラつく」
「『虎に翼』のときの優しい旦那さまを思い出すな」
「『虎に翼』の河原のシーンを思い出すね」
などのコメントが続々。優三は序盤で「退場」したが、
「この仲野太賀は最終回まで生きるから大丈夫大丈夫(いだてんとらつばクラスタ)」
と安心したり、
「『行きがかり上、妻になった女性に寄り添い守る』ポジションを演じたら上手いよねえ」
と仲野の演技を絶賛する視聴者もいた。

