「更年期の血圧」で気を付けたい”6つの病気”はご存じですか?医師が解説!

「更年期の血圧」で気を付けたい”6つの病気”はご存じですか?医師が解説!

更年期の血圧で気をつけたい病気はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が更年期と血圧の関係と気をつけたい病気について解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

※この記事はメディカルドックにて『「更年期」になると”血圧はどう変化する”のか?医師が発症しやすい病気なども解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

更年期と血圧の関係とは?

若いころは低めだった血圧が、更年期になり高くなるのは珍しいことではありません。とくに女性は50歳代以降で、急激に高血圧の割合が増加します。歳を重ねるとなぜ血圧が上がるのか、更年期と血圧の関係を解説します。

更年期とは

更年期とは、閉経の前後5年を合わせた10年間のことです。閉経とは月経が永久に停止することで、月経が1年以上ないことを確認したら、1年前を閉経だったと判断します。
日本人女性が閉経するのは50歳前後といわれているため、多くの方が45〜55歳ごろに更年期を迎えます。ただし閉経する年齢には個人差があり、40歳代前半や50歳代後半に閉経を迎えることも少なくありません。
更年期には、ほてりやのぼせ、めまい、動悸、気分の落ち込み、意欲低下などさまざまな症状が現れることもあります。主な原因は女性ホルモンの一種であるエストロゲンが大きく揺らぎながら低下することで、これにより血圧も変動しやすくなります。

更年期によるホルモンの変化と血圧の関係性

更年期には卵巣機能が低下し、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が少なくなります。その結果、血圧が変動しやすくなることもあるでしょう。
なぜならエストロゲンは妊娠の準備を整えるだけでなく、血管を広げたり、血圧コントロールにかかわる自律神経のバランスを安定させたりする働きもあるからです。

更年期の「血圧」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「更年期と血圧」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

更年期高血圧

40〜50歳代頃に血圧が上がったり、下がったりと変動しやすい場合には、更年期高血圧の可能性が考えられます。お伝えしているように、更年期はエストロゲンの影響や体重増加などさまざまな要因によって血圧が上がりやすいです。血圧が不安定、高くなりやすいと感じたら、一度内科を受診なさってください。
ホットフラッシュ(顔のほてり)やイライラ、不安感など更年期症状を伴う場合には、婦人科の受診も検討しましょう。

更年期障害

更年期にはさまざまな症状が現れますが、日常生活に支障をきたすほど重い症状が現れる状態のことを更年期障害といいます。
そして、更年期障害の主な原因もエストロゲンにあります。エストロゲンの分泌量が大きく揺らぎながら低下することで、血圧の変動以外にもほてりやのぼせ、めまい、頭痛、気分の落ち込み、イライラなどさまざまな症状が現れるのです。
このような症状がつらい場合には、我慢せず婦人科を受診なさってください。生活習慣の改善や心理療法のほか、ホルモン補充療法、漢方薬などさまざまな治療法がありますので、気軽に相談しましょう。

心筋梗塞

心筋梗塞とは、動脈硬化や血栓(血の塊)によって心筋(心臓の筋肉)に血液を送る冠動脈が詰まり、血流が途絶えることで心筋の一部が壊死してしまう病気のことです。
心筋梗塞が起こると胸に激痛が起こり、痛みは20分以上続くこともあります。さらに呼吸困難や、激しい脈の乱れ、顔面蒼白などの症状を併発することも少なくありません。また、心臓の血管が一瞬で詰まると突然死の恐れもあります。心筋梗塞が疑われるときには、できるだけ早く救急車を呼んでください。
なお、心筋梗塞の原因には喫煙、LDL(悪玉)コレステロールの高値、高血圧などが挙げられます。つまり普段から禁煙する、暴飲暴食しない、食塩を摂りすぎない、適度に運動するなど生活習慣を見直すことが心筋梗塞の予防につながります。

狭心症

狭心症は、動脈硬化などによって冠動脈が狭くなり、血液の流れが悪く、栄養や酸素の供給が不足する状態のことです。
歩行や運動中、就寝時などに胸を圧迫されるような痛みが起こり、短時間で消失する傾向にあります。狭心症が疑われるときには、循環器内科を受診なさってください。受診の際には「いつ、どこで、どのようなときに、どのくらいの時間続いたか」など痛みの詳細を伝えられるようにしておきましょう。
狭心症の場合は、発作時にニトログリセリンという冠状動脈を広げる薬を服用することで、症状が治まります。なお、狭心症も心筋梗塞と同じように生活習慣を見直すことが、発症予防につながります。

脳出血・くも膜下出血

脳出血やくも膜下出血は脳の血管が破れて起こる病気です。くも膜下出血は脳の血管にできた動脈瘤(動脈の一部が膨んだ状態)が破裂して起こることが多いです。そして、脳出血やくも膜下出血が発症する主な原因が高血圧です。
脳出血やくも膜下出血が起こると、激しい頭痛や意識障害、嘔吐、片方の手足が動かしにくい、顔の片側がゆがむ、ろれつがまわらないなどの症状が現れます。このような症状が見られるときには、早急に救急車を呼んでください。
脳出血やくも膜下出血は後遺症が残りやすい病気ですので、予防が重要です。高血圧を予防することが脳出血やくも膜下出血の予防にもつながりますので、食塩の摂取を控える、適度に運動するなどできることから始めましょう。

腎不全

腎不全とは、腎臓の機能が悪くなった状態のことです。腎不全の原因には糖尿病や糸球体(腎臓にあり、血液をろ過して尿をつくる器官)の炎症などさまざまなものがあり、高血圧もその1つです。
高血圧が続き、腎臓の血管に動脈硬化が生じると、腎臓への血流が低下して腎不全となります。腎不全は放置すると人工透析や腎移植をしなければ生きられなくなってしまうにもかかわらず、初期には症状が現れないことも少なくありません。そのため、健康診断などで腎臓の異常を指摘されたら、早めに内科や腎臓内科を受診なさってください。

配信元: Medical DOC

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