シンガー・ソングライターの松山千春(70)が18日、「松山千春 ON THE RADIO」(FM NACK5など、日曜後9・0)に生出演。14、15日の2日間にわたって行われたトランプ米大統領の中国訪問と、習近平国家主席との首脳会談について持論を展開した。
自身が岡山県倉敷市や広島市でコンサートを行っている時に行われていた米中首脳会談のニュースを受け、松山は「特にテレビで見ると、習近平国家主席はすごかったな」と切り出した。
続けて画面越しのトランプ氏の印象を「あんなに小さく見えたのは久しぶりだな」と率直に語り、「習近平さんがさ、我が国の14億人とアメリカの3億人、まあこの17億人で世界の平和と安定をしっかりやっていきましょうって言われた時のトランプさんの顔はちょっと見てられなかったなぁ」と振り返った。
トランプ氏の態度に「本当にびっくり」
特に松山が注目したのは、首脳会談における台湾問題のやり取りだ。習氏について「すごい執着心を持って、アメリカの大統領との会談の中でこれほど台湾についてあからさまに言ったというのは初めてじゃないかなって思うぐらいだよな」と、その姿勢を分析。
その結果、「おかげでトランプ大統領、台湾のことを言われちゃったらもう何も言えなくなっちゃってな。本来だったら、台湾に武器を売るという約束をしてたわけだから。それが習近平さんが、台湾のことはわれわれに任せてくださいよ、みたいな形で言ったばっかりにさ」と指摘した。
トランプ氏が帰国途中の大統領専用機内で記者団に対し、武器売却について「売るかもしれないし、売らないかもしれない」と発言したことについても言及。「普通のトランプさんだったらあんなことは絶対ありえない。たとえ相手が習近平国家主席であったとしても、台湾が必要としている武器はアメリカの武器ですから、それはしっかりと売らせてもらいます、くらいのことは言ったはずだもんなぁ。それがもう何も言えなくなってしまったというのが、本当にびっくりしましたね」と驚きを隠さなかった。
日本政府への懸念も
米中を巡るパワーバランスについて、松山は「中国はアメリカと『G2』、グレートな国としてこの二つで世界を、みたいなことを言ってんだけど、どうもアメリカの方がちょっと中国に差をつけられつつあるんじゃないかという感じだもんな」と考察。「あれを見てプーチンはどう思ったんだろうなぁ。もうそういうことがいろいろ頭を駆け巡るわけだよ」と想像を膨らませた。ロシアのプーチン大統領はちょうど19、20日の2日間、訪中を予定している。
さらに、この現状が日本に与える影響にも危機感を募らせる。「ということは、世界で今、習近平国家主席が一枚上手に出てしまった。それに対して、果たして高市(早苗)総理はどういう対応を取られるんだろうか」と懸念。続けて「自分の発言によって中国からひんしゅくを買い、冷たくされてるんだけど、その後アメリカへ行って、トランプ大統領ともいろいろ話したんだろうけど、そのトランプさんがもう小さくなってしまうような状況の訪中になったわけだからなぁ。これからのことがどうなっていくのか、ぜひ皆さんも中国が何をやるのかを十分気にしながら見ていてほしいですね」とリスナーに呼びかけた。
最後は、中国の国内事情に触れつつ、日本のあるべき姿勢について言及。「正直言って、14億人という人口を背景にガーッと表に出てきてますけど、一つ一つ見たらそんなに経済力が世界一だなと思えるような感じではないんだよな」と推察し、「やっぱり北京とか上海とかそういうところはいいけど、問題は地方のほうだよな。そうやって考えたら、日本なんて、アメリカも相手にしないんだから中国も相手にしないだろう、みたいな感覚で見てしまったんだけどね。経済力ということを考えたら、確かに中国は大きいんだろうと思いますけどね」と分析。そのうえで、「やはり日本は『和を以て貴しと為す』、もうこの気持ちですよ」と聖徳太子が制定した十七条憲法の一節を紹介し、「世界中が和を以てやっていきましょう。核兵器の問題にしてもそうだけど、日本はそういう意味では平和をもっともっと訴えるべきだろうというのをつくづく感じました」と強いメッセージを込めて結んだ。
トランプ氏は約9年ぶりとなる訪中で、長時間をともにした習氏の厚遇に謝意を示し、「彼は私が大いに尊敬する人物だ。畏敬すら抱くようになった」と発言。米国内で手続きを進めるよう求める声が強まっている台湾への140億ドル(約2兆円)規模の武器売却についても、インタビューで「まだ承認していない。何が起きるかみてみようとしている。(承認)するかもしれないし、しないかもしれない」と述べるなど、明言を避けて中国側の出方を見定める意向を示していた。

