ダイヤから感じる本当の価値
祥太の言葉には、心からの謝罪と、私への敬意がこもっていました。私はそのネックレスを手に取り、指先でダイヤに触れました。視界が急にぼやけ、熱いものが頬を伝いました。
「……ありがとう。大切にするね、本当に」
200万円という大金は、一時は私たち夫婦の信頼関係をバラバラに壊しかけました。お金そのものには意志がありませんが、それを持つ人間の心の弱さをあぶり出す力があるのだと思い知らされました。
でも、この騒動があったからこそ、私たちは今まで避けてきた「家族のお金」の定義や、「お互いの役割への敬意」について、初めて本音でぶつかり合い、深く話し合うことができたのだと思います。
今、鏡を見るたびに、私の胸元ではダイヤが小さく光っています。これは宝くじの当選金の一部で買われたものですが、私にとっては単なる貴金属ではありません。「夫が自分の非を認め、私をパートナーとして尊重してくれた証」としての価値のほうが、200万円という数字よりもずっと大きく、重いのです。
お金で揉めるのはもうこりごりですが、もし次にまた彼が「夢」を追いかけ、自分の力で何かを掴み取ってきたときは。その時は今度こそ、疑念も不信感もなく、心から「すごいね、おめでとう!」と一緒に笑い合えるはずです。新しい冷蔵庫から冷えたお茶を取り出しながら、私はそう確信していました。
汐里にとって、祥太からの贈り物は、値段以上の価値を感じるものでした。
本作では、宝くじ200万円の当選がきっかけで、夫婦の絆が崩れてしまった様子が描かれています。ですが、この騒動があったからこそ、改めて夫婦でお金の価値観を話し合い、着地点を見つけることができました。夫婦でのお金の価値観のズレのこわさについて、考えさせられる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:糸野内たおる
記事作成: ももこ
(配信元: ママリ)

