暑くなってくると、汗やベタつきが気になり始めます。発汗自体は体にとって大切な働きですが、かゆみや赤み、かぶれなどの肌トラブルにつながる場合もあります。汗と肌の関係、そして肌を守るための汗対策について、秋葉原フロンティアクリニック総院長の鴫原康先生に解説してもらいました。

監修医師:
鴫原 康(秋葉原フロンティアクリニック)
昭和63年東北大学医学部卒業。東北大学形成外科、仙台医療センター形成外科、米国メイヨークリニック、東北大学大学院医療管理学分野、東北医科薬科大学臨床准教授などを経て現職。医学博士、日本形成外科学会 形成外科専門医、日本医師会認定産業医。
汗は悪いもの? 肌トラブルとの関係とは?
編集部
暑くなってくると、汗が気になります。
鴫原先生
「汗が気になる」という気持ちは理解できます。しかし、汗そのものは悪いものではなく、むしろ発汗は体温を調節するために欠かせない生理現象です。ただし、汗をかいたまま長時間放置すると、皮膚に刺激を与え、かゆみや赤み、湿疹などのトラブルにつながる場合があります。
編集部
汗をかいただけで肌トラブルが起こる場合があるのでしょうか?
鴫原先生
はい。汗には水分だけでなく、塩分や老廃物も含まれています。汗の成分が皮膚表面に残ると刺激となり、皮膚のバリア機能を弱める原因になり得ます。また、汗で蒸れた状態が続くと細菌が増えやすい環境になり、炎症が起こりやすくなります。
編集部
汗と臭いも関係しているのですか?
鴫原先生
汗そのものはほぼ無臭です。しかし、皮膚の常在菌が汗の成分を分解する過程で臭いが生じます。そのとき臭いが気になって強くこすったり、刺激の強い制汗剤を使ったりする行為が、かえって肌トラブルの原因になる場合もあります。
間違った汗対策が肌を傷める?
編集部
汗が気になるとつい何度も拭いたり、洗ったりしてしまいます。
鴫原先生
摩擦は皮膚のバリア機能を傷つける原因になります。汗を拭く場合は、やわらかいタオルなどでやさしく押さえるように心がけてください。
編集部
制汗剤は使わないほうがいいのでしょうか?
鴫原先生
適切な使用は有効だと思います。しかし、自分の肌質に合わない製品やアルコール濃度の高いものを頻繁に使用すると、刺激やかぶれを起こす場合があります。かゆみやヒリヒリ感が出た場合は使用を中止し、症状が続くようであれば医療機関へ相談してください。様子を見ているうちに色素沈着を起こす場合があり、いったん色素が沈着してしまうときれいに戻らないため、早めに相談するほうがよいでしょう。
編集部
汗をかいた後は、すぐにシャワーを浴びたほうがいいのでしょうか?
鴫原先生
可能であれば、汗をかいた後は早めに洗い流すのがよいでしょう。ただし、洗いすぎも皮脂を取りすぎてしまい、乾燥を招きます。1日1〜2回の入浴やシャワーで、やさしく洗うのが基本です。
編集部
ほかに、自分でできる汗対策があれば教えてください。
鴫原先生
生活習慣の見直しも、汗対策の1つです。例えば、辛い食べ物を控える、アルコールの摂取量を見直すといった食生活の工夫は、発汗を抑える助けになる場合があります。また、ストレスが強いと発汗が増える傾向にあるため、リラックスできる時間を持ち、十分な睡眠を確保するよう心がけましょう。

