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中高年の「筋トレ」で関節破壊?“あの部位”の痛みは前兆と原因【医師監修】

中高年の「筋トレ」で関節破壊?“あの部位”の痛みは前兆と原因【医師監修】

膝・股関節・腰椎・肩・肘など、中高年の方の筋トレでは特定の関節に損傷が集中しやすい傾向があります。それぞれの部位にどのようなリスクがあるのかを把握したうえで、適切な重量設定やフォームの見直し、ウォームアップとクールダウンの重要性についてご説明します。

本多 洋介

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

中高年が特に傷めやすい関節の部位と症状

関節へのダメージは身体全体に起こり得ますが、中高年の方の筋トレでは特定の部位に集中しやすい傾向があります。それぞれの症状と特徴を把握しておくことが大切です。

膝・股関節・腰椎への影響

スクワットやレッグプレスなどの下半身トレーニングでは、膝関節と股関節に大きな負荷がかかります。フォームが乱れた状態や過剰な重量での実施は、膝の前十字靭帯や半月板(はんげつばん)への損傷リスクを高めます。膝から「ゴリゴリ」「カクカク」という異音がしたり、腫れや熱感が続いたりする場合は、関節内で問題が起きているサインです。

腰椎(ようつい)については、デッドリフトや高重量のスクワットで椎間板(ついかんばん)への圧縮力が高まります。椎間板ヘルニアは、椎間板の中央にあるゼリー状の核(髄核=ずいかく)が外に飛び出して神経を圧迫する状態で、腰から足にかけての痛みやしびれを引き起こします。中高年の方では椎間板の水分含有量が減少しているため、その変形・損傷が起きやすい状態にあります。

肩・肘・手首に生じるリスク

上半身のトレーニングでは、肩関節・肘関節・手首にダメージが集中しやすくなります。肩関節は可動域が広い分、安定性を担う「回旋筋腱板(ローテーターカフ)」という4つの筋肉が重要な役割を果たしています。加齢によってこの腱板は傷つきやすく、ベンチプレスや懸垂などで繰り返しストレスを受けると、部分断裂から完全断裂に進展する場合があります。

肘関節では、上腕二頭筋腱(じょうわんにとうきんけん)の炎症や断裂が起こることがあります。特に、重量挙げやバーベルカールなどでは急激な力が腱にかかるため、断裂のリスクが無視できません。「ミシッ」「バチン」という音ととともに突然の激しい痛みが肘付近に現れた場合は、腱の断裂を疑い、すぐに整形外科を受診してください。

関節破壊を防ぐために中高年が押さえるべき原則

関節へのダメージは一度蓄積されると回復に時間がかかります。予防の観点から、中高年の方が筋トレにおいて守るべき基本的な原則を理解しておくことが重要です。

適切な重量設定とフォームの重要性

関節を守るうえで、適切な重量の選択は最も大切な要素のひとつです。正確なフォームを保てる回数で行うトレーニングが関節への負荷と筋肉への刺激のバランスを保つうえで適しているとされています。

フォームの乱れは、意図しない関節への過負荷を生じさせます。例えば、スクワットで膝がつま先よりも大きく前に出る姿勢は膝蓋骨(しつがいこつ)周辺の組織への圧力を高め、デッドリフトで腰が丸まる姿勢は椎間板への局所的な負荷を増大させます。鏡の前でフォームを確認しながら行う、または経験豊富なトレーナーの指導を受けることが、関節を長持ちさせるうえで効果的です。

ウォームアップとクールダウンの役割

運動前のウォームアップは、単に「習慣」として行うものではありません。ウォームアップによって体温が上昇し、関節周囲の筋肉・靭帯・腱の柔軟性が高まります。また、関節腔(かんせつくう)内に分泌される「滑液(かつえき)」の量が増え、関節の滑りが改善されます。5〜10分程度の軽い有酸素運動と動的ストレッチ(動きを伴うストレッチ)を組み合わせることで、関節への急激なストレスを軽減できます。

クールダウンも同様に重要です。トレーニング後にゆっくりとしたストレッチや軽い歩行を行うことで、筋肉の緊張がほぐれ、関節周囲の血流が維持されます。乳酸などの代謝物質の代謝(たいしゃ)が促進され、次回のトレーニングに向けた関節の回復を助けます。ウォームアップとクールダウンを省略することは、関節破壊への近道になりかねません。

配信元: Medical DOC

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