おしりから突き上げるような痛みで、すぐに病院へ行くべき症状はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医がすぐに受診すべき症状と子宮や腸との関係について解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『おしりから突き上げるような痛み・肛門痛を医師が解説 原因や病気の可能性は?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
村上 友太(医師)
医師、医学博士。
福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長、東京予防クリニック院長を歴任。現在は神宮前統合医療クリニックなどで脳機能向上、認知症予防を中心に診療している。
【資格・所属】
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
日本抗加齢医学会専門医
日本健康経営専門医
すぐに病院へ行くべき「お尻がつきあげられるように痛む」症状
ここまで様々な症状を紹介しました。「痛みが落ち着いたし、病院は行かなくても大丈夫。」と思っていませんか?
経過観察ももちろん大切ですが、放置してはいけない症状もあります。
ここでは無視してはいけない症状を紹介します。もし、これらの症状が見られる際には早めの受診をおすすめします。
我慢できないほどのおしりから突き上げるような強い痛みや高熱の症状がある場合は、消化器科、外科、肛門科へ
痛みの程度が強く我慢ができない、高熱がある状態である場合は、肛門周囲膿瘍の可能性があります。
肛門周囲膿瘍は、軽度の場合には抗菌薬内服で軽快する場合がありますが、多くの場合は痔瘻へ移行して、根治術が必要になります。膿が溜まっている場合には切開して、膿を出し切らないと治りません。
早めに治療を進める必要がある病気です。
すぐに消化器科・外科・肛門科を受診してください。夜間などで受診を悩む場合は、休日夜間診療所などに電話で問い合わせてみるといいでしょう。
「おしりが突き上げられるような痛み」は子宮や腸の健康状態との関係がある
おしりが突き上げられるように痛む場合、おしり・肛門だけでなく、骨盤内にある臓器(直腸、子宮、卵巣、前立腺、膀胱など)も原因になります。ここでは、そのおのおのとの関係を整理していきましょう。
おしりから突き上げるような痛みと子宮の不調が関係する場合
子宮のような女性器が原因で、強い痛みがでる理由はさまざま考えられます。
月経に関連する場合は、月経困難症が考えられます。これは、子宮筋腫や子宮内膜症が原因で月経周期に一致して強い痛みを生じます。子宮の細菌感染症として子宮頚管炎や子宮内膜炎が考えられます。妊娠中では切迫早産、常位胎盤早期剝離などで強い痛みが出現します。
受診すべき診療科は産婦人科で、妊娠中では、まずかかりつけ医に相談しましょう。
おしりから突き上げるような痛みと腸の不調が関係する場合
腸が原因でおしりが突き上げられるような痛みがでる場合、肛門近くの直腸に原因があることが多いです。
前述の、肛門にいぼ状のはれである痔核や、肛門周囲膿瘍から進行してしまう痔瘻以外にも他の疾患が考えられます。例えば、直腸がんなどの悪性腫瘍、潰瘍性大腸炎やクローン病のような炎症性腸疾患がかかわっていることもあります。そのほか、腸の内臓神経が過敏になることで発症する過敏性腸症候群のために、おしり近くから続く腹痛が起こることもあります。
痛みについて消化器内科、消化器外科を受診して相談しましょう。大腸カメラなどを必要とする場合もあります。
おしりから突き上げるような痛みと便秘やガス(おなら)が関係する場合
たかが便秘、とあなどってはいけません。
なんらかの原因で便やガスがたまるとお腹が張りますが、さらに重度になると、腸閉塞や閉塞性腸炎という状態になります。
便秘で悩む方は、重症化する前に排便コントロールをつける必要があります。生活習慣を見直す、薬に頼るなどいろいろ解決方法はありますので、一度消化器内科を受診してください。
おしりから突き上げるような痛みと膀胱炎などの排泄器官の不調が関係する場合
膀胱や尿管といった尿路の不調でもおしりから突き上げられるような痛みがでることがあります。なかでも、膀胱・尿道の炎症が痛みの原因となりやすいでしょう。
急性膀胱炎など尿路に細菌感染することで尿道付近から、ヒリヒリ痛むような感じがすることもありますが、間質性膀胱炎の重症例は特に痛みが強いことで知られています。
排尿時におしりから突き上げるような痛みを自覚する際は、泌尿器科を受診してください。

