医療費を節約するには?
Q.マイナ保険証やお薬手帳アプリの活用で、2026年からはどれくらい医療費が節約できるのでしょうか。
真部さん「以前はマイナ保険証を使えば医療費が安くなるという制度がありましたが、すでに廃止されました。そのため、マイナ保険証を出すことは直接的な節約にならなくなります。これまでは医療情報取得加算や、DX推進を評価する医療DX推進体制整備加算などが、マイナ保険証への移行を促すための加算でした。
しかし、廃止となったそれらの代わりに『電子的診療情報連携体制整備加算』という加算が新設されることになりました。これは病院や薬局がどれだけマイナ保険証の利用実績があるか、電子処方箋を導入しているかといった施設側のDX対応力によって点数が決まります。
対応力が高くて利用率が高い薬局を利用する患者は、マイナ保険証の使用に関わらず一律でこの点数分の負担をしなければなりません。このように、マイナ保険証が標準となったことで、これからは医療情報をデジタルで活用できているかを評価する段階に移行し、制度自体が変わってきています。全体的な医療費削減のためにデジタルへの移行が進んでいるため、ただマイナ保険証を出しただけで会計が安くなるというメリットはなくなってしまいました。
しかし、入院や手術をする際にマイナ保険証を出すと大きな金銭的メリットがあります。マイナ保険証があれば高額療養費限度額適用認定証が不要となり、窓口でマイナ保険証を入れて項目に同意するだけで、自己負担限度額までの支払いで済むようになったのです。
以前は、事前に役所で『限度額適用認定証』を発行してもらうか、窓口で一旦全額を支払ったのちに、健康保険組合などへ払い戻しの申請をする必要がありました。現在はマイナ保険証の手続きだけで、高額な医療費の立て替えが不要になったことが大きなメリットです。
また、マイナ保険証で情報閲覧に同意することで、薬局側で薬のデータが確認できるようになるため、重複投薬のチェックによる薬代の節約も可能です。現在はまだ直近のデータが反映されておらず、1カ月前までが見れるかどうかという状態なので、当分の間はお薬手帳で確認が必要になりますが、今後完全にチェックできるようになれば安全性も上がるので、とても良いことだと思います。
お薬手帳の場合は、持参すると割引されるのがメリットです。かかりつけの薬局に3カ月以内に処方箋を提出し、お薬手帳を持参するかアプリを提示すると、しなかった場合に比べて1回あたり120円から140円の割引となります。保険で3割負担の場合は、約40円ほどの割引です。この先マイナ保険証で全て見れるようになると制度が変わるかもしれませんが、今のところはお薬手帳やアプリを出せば割引されるため、ぜひ活用していただければと思います」
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門前薬局の方が安く済むが、しっかり薬について相談したい場合は街中の薬局が適しているとのことです。飲んでいる薬の量が多い場合はかかりつけ薬剤師の指名も検討しながら、賢く薬局を利用しましょう。
