脳トレ四択クイズ | Merkystyle
「喉頭がん」の初期症状は“あの日常的な不調”?3つの検査と治療の効果【医師監修】

「喉頭がん」の初期症状は“あの日常的な不調”?3つの検査と治療の効果【医師監修】

声のかすれは声帯ポリープや声帯麻痺など、良性の疾患でも起こります。喉頭がんかどうかを判断するには、専門医による喉頭内視鏡検査が欠かせません。さらにCTやMRI、病理検査などを組み合わせてがんの広がりを確認し、病期(ステージ)を決定します。診断の流れをあらかじめ知っておくことで、受診への不安を少しでも和らげることにつながります。

吉田 沙絵子

監修医師:
吉田 沙絵子(医師)

旭川医科大学医学部医学科 卒業。旭川医科大学病院、北見赤十字病院、JCHO北海道病院、河北総合病院、東京北医療センターなどで勤務後、武蔵浦和耳鼻咽喉科院長となる。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医。

喉頭がんの診断:検査の流れと内視鏡の役割

喉頭がんが疑われる場合、診断を確定し、治療方針を決定するためには、いくつかの段階的な検査が必要です。どのような手順で検査が進むのかをあらかじめ知っておくことで、過度な不安を和らげ、落ち着いて検査に臨むことができます。

問診・視診・内視鏡検査

耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診すると、まず詳細な問診(もんしん)が行われます。声のかすれがいつから始まったか、どのような症状があるか、喫煙歴や飲酒歴、職業、過去の病気などについて詳しく尋ねられます。次に、首のしこりの有無などを確認する視診・触診が行われます。そして、診断の要となるのが「喉頭内視鏡検査(こうとうないしきょうけんさ)」です。これは、先端にカメラが付いた細く柔らかいファイバースコープを鼻から挿入し、喉頭の内部をモニター画面に映し出して直接観察する検査です。検査は数分で終わり、局所麻酔を使用するため、苦痛はほとんどありません。医師は、声帯の動き、粘膜の色や形状、腫瘍の有無やその広がりを詳細に観察します。がんが疑われる特徴的な所見(表面の凹凸、白色や赤色の変化、異常な血管など)が見つかった場合は、組織生検を行う場合は、喉頭ファイバー下に浸潤麻酔などを使用して行いますが、反射でむせてしまいうまく採取できない場合もあります。その場合は、入院して全身麻酔下で生検を行うこともあります。

画像検査・病期(ステージ)診断の流れ

生検結果には時間がかかるため、悪性を疑う場合は初診時から画像精査と生検を並行して進めていきます。主にCT検査やMRI検査が行われ、がんの大きさ、深さ(深部への浸潤)、周囲の軟骨や組織への広がり、頸部リンパ節への転移の有無などを詳細に調べます。
一方で、PET-CT検査は、病理検査でがん(リンパ腫を含む)と診断された後に行われることが多い検査です。肺や肝臓など離れた臓器への転移の有無や、全身の病変の広がりを評価する目的で実施されます。
これらの検査結果を総合的に評価し、国際的な基準である「TNM分類」(T:原発巣の大きさ、N:リンパ節転移の有無と範囲、M:遠隔転移の有無)に基づいて、がんの病期(ステージ)がI期からIV期までの4段階で決定されます。このステージ診断は、その後の治療方針(手術、放射線治療、化学療法など)を決定するうえで最も重要な情報となります。

喉頭がんの治療法:手術・放射線・化学療法の選択肢

喉頭がんの治療は、がんを根治させること(根治性)と、発声・嚥下・呼吸といった喉頭の重要な機能を可能な限り温存すること(機能温存)のバランスを考慮して決定されます。治療の3本柱は「手術療法」「放射線治療」「化学療法(抗がん剤治療)」であり、これらを病期(ステージ)やがんの発生部位、患者さん自身の全身状態や希望に応じて、単独または組み合わせて行います(集学的治療)。

手術療法:喉頭温存手術と全摘術

喉頭がんの治療では、がんの進行度や広がりに応じて、放射線治療・手術・化学療法を組み合わせながら方針が決定されます。
一般的に、早期がんでは放射線治療が第一選択となることが多く、その効果を見ながら必要に応じて手術を検討します。
0期〜II期では、放射線治療または喉頭温存手術のいずれかが選択されることが多く、できるだけ声や喉頭機能を残すことが重視されます。喉頭温存手術には、経口的レーザー手術や喉頭部分切除術などがあり、病変の範囲に応じて適した方法が選ばれます。
一方、III期以上の進行がんでは、化学放射線療法または喉頭摘出術が検討されます。化学放射線療法は、喉頭の温存を目指しながら治療を行う方法として重要な選択肢です。ただし、腫瘍の進行状況によっては喉頭全摘術が必要となる場合もあります。
さらに、遠隔転移が認められる場合には、全身への治療として化学療法を組み合わせることがあります。このように喉頭がんの治療は一つの方法に限らず、病期や全身状態を踏まえて適切な治療を選択することが大切です。

放射線治療・化学放射線療法による声帯温存

放射線治療は、高エネルギーのX線などをがん細胞に照射して破壊する治療法です。早期の喉頭がん、特に声門がんにおいては、手術と同等の高い治療効果が期待でき、声を温存できる最大の利点があります。治療は通常、週5回、6〜7週間にわたって行われます。進行がんに対しては、放射線治療の効果を高めるために、抗がん剤治療(化学療法)を同時に行う「化学放射線療法」が標準的な治療法の一つとして選択されます。この治療法は、手術を回避して喉頭を温存できる可能性がある強力な治療ですが、放射線による口内炎や皮膚炎、嚥下困難、味覚障害や、抗がん剤による吐き気、白血球減少などの副作用が強く出ることがあります。そのため、治療の適応や具体的な方法は、患者さんの体力や併存疾患などを十分に考慮し、担当医と相談したうえで決定されます。
また近年では、従来の殺細胞性抗がん剤に加え、がん細胞の増殖を抑える分子標的薬や、患者さん自身の免疫力を活性化させてがんを攻撃する免疫チェックポイント阻害薬も、進行例や再発例に対する標準治療として用いられるようになっています。これにより、治療の選択肢が広がり、生存率の向上も期待されています。
一方で、放射線治療や薬物療法には、口内炎・皮膚炎・嚥下困難・味覚障害、吐き気や白血球減少などの副作用がみられることがあります。そのため、治療の適応や具体的な方法は、患者さんの体力や併存疾患などを十分に考慮しながら決定されます。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。