俳優の仲野太賀が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合など)の第21回が24日、放送され、戦国武将・松永久秀(竹中直人)が、羽柴秀吉(池松壮亮)と小一郎長秀(仲野)の兄弟を真偽不明の逸話で翻弄した後、壮絶な爆死を遂げた。多くの視聴者が竹中の怪演に釘付けとなり、SNSに「This is 竹中直人」「すごい竹中劇場だった」などのコメントが寄せられた。
「豊臣兄弟!」とは?
豊臣秀長を主人公に、天下人となる兄・秀吉を補佐役として支えた弟の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
「『麒麟がくる』の吉田鋼太郎と並ぶ」
この日の放送で、織田信長(小栗旬)は、北国の上杉攻めから離脱し勝手に帰国した秀吉に激怒。勝ち目がなかったというのであれば、なぜ命がけで総大将の柴田勝家(山口馬木也)を説得しなかったのかと責め立てた。比叡山焼き討ちで皆殺しの命に背いたのに続いて2度目となる今回は許すわけにはいかないと断じ、処分が決まるまで蟄居を申し渡した。
後日、信長は、秀吉と小一郎に、再び離反した久秀の談判に向かうよう命じ、織田家への復帰と、久秀が所有する唯一無二の茶器「平蜘蛛」を差し出させることに成功すれば、上杉攻めから離脱した件は許すと告げた。
兄弟はさっそく久秀のもとに出向き、説得を試みるが、久秀は平蜘蛛を渡すことを拒否。大和の支配権を「若い」という理由だけで筒井順慶(長沼伊久也)に奪われたことに強い不満を抱く久秀は、大和には南朝時代に隠された財宝が多く眠っていて、そのありかが記された絵図を持っていると述べた。また、贋作職人だった父の妾の子として生まれ、「父に作られたまがい物の子、卑賎の子」と蔑まれて育った自分を引き立ててくれた「本物の父」三好長慶から初めて任された土地が、奈良の都の古より続く、御仏や神々の威光に満ちたこの土地だったと事情を説明するが、それらはすべて「戯言」だと笑って兄弟を翻弄した。秀吉は、信長が本当は平蜘蛛が欲しいわけではなく、久秀を死なせずにすむ理由が欲しかっただけではないかと述べ、「生きておれば、きっとまた機は巡ってまいる」「拙者とともに、長生きいたしましょう」と呼びかけた。
久秀「よしわかった」と言い、2つの平蜘蛛を兄弟に見せた。どちらが本物か見抜けたら信長の命に従うが、見抜けなければ、2人の首を取り信長に送り返すという。鑑定眼など持ち合わせない兄弟は困惑するが、小一郎が機転を利かせて片方の平蜘蛛を床に叩きつけようとした。久秀は慌てて制止。勝負に負けた久秀は、支度してくると言い残して奥へ下がったが、直後、屋敷の奥が突如大爆発。燃え盛る火に囲まれた久秀は「戦、戦、戦、戦のこの世にはもう飽きた! 先に逝って待っていると信長めに伝えよ」と告げ、平蜘蛛は2つとも偽物で、小一郎が叩きつけようとしたほうが父による贋作だと明かした。
そして久秀は、なぜ止めようとしたのか、自分にもわからないと吐露し、「何が本物で何が偽物かなど、そんなものはどうでもいい! お前らもせいぜい苦しめ。うまく信長を欺くんじゃぞ。まがい物をうれしそうにめでる信長のまぬけな姿をあの世からとくと楽しませてもらうわ!」と絶叫。大量の火薬玉をぶちまけて爆死した。
この日の主役は完全に秀久。見事な芝居で引っ張った竹中に多くの視聴者が釘付けになり、SNSには
「This is 竹中直人」
「すごい竹中劇場だった」
「竹中直人ならではの怪演だった」
「こんな久秀見たかった!」
「最高にかっこいい松永久秀だった」
「『麒麟がくる』で演じた吉田鋼太郎の松永久秀と並ぶくらい好き。盛大に爪痕を残して去った竹中直人氏に天晴!」
といった絶賛の声がズラリと並んだ。
竹中といえば、1996年に放送された大河「秀吉」で主演を務め、それまでのイメージと異なった新しい秀吉像を作り上げ、大きな話題になった。そんな竹中が、池松演じる秀吉と命がけで対峙する展開に胸を熱くする大河ファンも多く、
「新旧の秀吉の対決。これが今日の見どころだよね」
「竹中さんが松永だった理由。秀吉が秀吉を救ったんだ…」
などの反響も寄せられていた。
ドラマに続いて流れた「豊臣兄弟!紀行」でも久秀のことが取り上げられ、後世に創作された逸話から、史実とは異なる人物像が広まってしまったと解説されていたが、創作の構成要素を生かした脚本を好意的に受け止める人は少なくなく、
「出自のいかがわしい武将なんぞいくらでもいただろうし、松永久秀の謀反の理由と大和に固執する理由、平蜘蛛と心中する理由、上手いことつないだなぁという感じがする」
「『豊臣兄弟!』という大河ドラマの良い部分が目一杯詰まった回でした!」
「記憶に残る大河になった」
とのコメントも散見された。

