非常階段に呼び出されて…
ある日、めずらしく勤務中に彼から連絡がきました。「話があるから非常階段に来て」という内容です。関係の終わりを告げられるのではないかと不安になりながらも、私は人目を避けて非常階段へ向かいました。
すると、彼は突然、私を抱き寄せてキスをしてきたのです。誰かに見られるかもしれない場所での予想外の行動に、私は驚いて身を引こうとしました。それでも彼は「いいだろ?」と距離を詰めてきて、私の戸惑いや拒む気持ちを受け止めてくれていないように感じました。その瞬間、私はようやく目が覚めたのです。
これまで、彼の気まぐれな態度も受け入れてきたつもりです。しかし、このときばかりは、さすがにこれ以上は無理だと思いました。私は強く抵抗し、その場から走って離れました。
そのときは悲しみよりも怒りのほうが大きく、残りわずかな勤務時間をなんとかやり過ごして、定時で退社しました。そして帰宅後、すぐに彼の連絡先をブロックしました。それ以降、私は会社で彼から視線を向けられても応じませんでした。少しずつ距離を置くことで、ようやく自分の気持ちを取り戻していったのです。
好きという気持ちがあると、冷静な判断ができなくなるときがあります。今思えば、あの出来事がなければ、私はあいまいな関係を続けたままだったかもしれません。つらい経験ではありましたが、自分を大切にしようと思い直すきっかけになりました。
著者:佐藤さくら/30代女性・男の子2人を育てるママ。恋に悩み、喜び、涙した数々の経験をしてきたからこそ書けるリアルな恋愛エピソードを執筆している。
イラスト:はせがわじゅん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
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