生理痛は多くの女性が経験する症状ですが、中には治療が必要な「月経困難症」が隠れている場合もあります。月経困難症には原因の異なる2つのタイプがあり、適切な検査と治療を受ければ症状の改善が期待できます。そこで、生理痛の種類の違いや検査方法、治療の考え方について、たかのレディースクリニック院長の髙野宏太先生(日本産科婦人科学会産婦人科専門医)に聞きました。
※2025年10月取材。

監修医師:
髙野 宏太(たかのレディースクリニック)
長野県飯田市出身。山梨大学医学部卒業後、初期研修を経て信州大学産科婦人科学教室に入局。信州大学医学部附属病院、飯田市立病院、長野県立こども病院、北信総合病院(医長)、諏訪赤十字病院(副部長)で産婦人科医療に従事。2025年5月より現職。日本専門医機構認定産婦人科専門医、母体保護法指定医、日本医師会認定産業医。
月経困難症の基本的な考え方 生理痛との違いは?
編集部
まず、生理痛と月経困難症の違いについて教えてください。
髙野先生
生理に伴って痛みを感じる人は多いですが、その中でも痛みが強く、仕事や学校、日常生活に支障が出ている状態を「月経困難症」と呼びます。単に「痛みがある」というだけでなく、鎮痛薬が手放せない、横にならないと過ごせないなど、生活への影響が出ているかが重要なポイントです。
編集部
月経困難症には2種類あるのでしょうか?
髙野先生
はい。月経困難症は大きく2つに分けられます。一つは、検査をしても明らかな病気が見つからない「機能性月経困難症」です。もう一つは、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となる「器質性月経困難症」です。原因となる病気の有無によって、治療方針も異なります。
編集部
機能性と器質性は、症状だけで見分けられますか?
髙野先生
症状だけで正確に見分けることは困難です。例えば、若い頃から痛みが強い場合は「機能性」が多いですが、年齢とともに悪化してくる場合は「器質性」が疑われる場合もあり、最終的には検査が必要になります。
編集部
年齢による違いはありますか?
髙野先生
機能性月経困難症は思春期から20代など若い年代に多く、器質性月経困難症は30代以降で増える傾向があります。ただ、あくまでも一つの目安ですので、年齢だけでは判断できません。
月経困難症の検査方法
編集部
月経困難症が疑われる場合、まずどのような検査をおこないますか?
髙野先生
まずは問診をおこないます。痛みがいつから始まったのか、生理のどの時期に強いのか、日常生活にどの程度影響しているかなどを詳しく伺います。
編集部
問診以外には、どのような検査がありますか?
髙野先生
子宮や卵巣の病気を確認するため、内診や超音波検査をおこないます。これらの検査は、器質性月経困難症を診断するうえで欠かせません。
編集部
超音波検査では何が分かりますか?
髙野先生
子宮筋腫や卵巣の病変といった、月経困難症の原因となりうる異常の有無、筋腫の大きさを確認できます。
編集部
さらに詳しい検査が必要な場合もありますか?
髙野先生
はい。症状や超音波検査の結果によっては、MRIといった画像検査や、血液検査による腫瘍マーカーの測定をおこない、より詳しく状態を調べることがあります。

