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あの”サプリ”で心停止の可能性?腎臓・肝臓を壊す『原因』と症状【医師監修】

あの”サプリ”で心停止の可能性?腎臓・肝臓を壊す『原因』と症状【医師監修】

腎臓は身体の「フィルター」として、血液中の不要な物質を尿として排出する役割を担っています。サプリメントに含まれるビタミンやミネラル、アミノ酸なども腎臓で処理されますが、特定の成分を過剰に摂取すると、この働きに余分な負荷がかかることがあります。どのような成分が腎臓への負担を高めるのか、具体的に確認しておきましょう。

田中 茂

監修医師:
田中 茂(医師)

2002年鹿児島大学医学部医学科卒業 現在は腎臓専門医/透析専門医として本村内科医院で地域医療に従事している。
専門は内科学・腎臓内科・血液透析・腹膜透析・臨床疫学・生物統計学

サプリメントによる薬物性肝障害とは

サプリメントが原因で起こる肝臓のトラブルは、医学的に「薬物性肝障害(Drug-Induced Liver Injury:DILI)」と総称されます。一般的に薬による副作用として認識されやすいこの病態ですが、近年は健康食品・サプリメントが原因となるケースも増加傾向にあります。

薬物性肝障害の症状と発見のポイント

薬物性肝障害の症状は、倦怠感(けんたいかん)・食欲不振・吐き気・黄疸(おうだん)・皮膚のかゆみなど、ウイルス性肝炎に似た症状を示します。重篤な場合には急性肝不全に至ることもあります。問題は、初期段階では自覚症状に乏しく、血液検査を受けなければ発見が難しいことです。

サプリメントを日常的に摂取している方が、普段とは違う倦怠感や食欲不振を感じた場合は、一時的に摂取を中断し、まずはかかりつけの内科などの医療機関に相談しましょう。必要に応じて、消化器内科や腎臓内科などの専門医と連携して原因を調べることが大切です。 血液検査では肝機能を示す数値(AST、ALT、γGTP、ALP)の確認が行われます。症状の改善にはサプリメントの中止が有効なことが多いですが、重症化している場合には入院治療が必要になることもあります。

サプリメントが原因と疑われる肝障害の実態

日本肝臓学会による全国調査の結果、薬が原因で起こる肝障害(薬物性肝障害)のうち、約10〜20%が「民間薬・健康食品」によるものとされています。その内訳として最も多いのがウコン含有食品であり、次いで多種類の成分を配合したダイエット系サプリメントや、一部の漢方薬などが挙げられます。
近年では、筋肉増強や美容を目的としたプロテイン・アミノ酸サプリメントの過剰摂取による事例も報告されており、身体に良いとされる成分であっても、特定の臓器にとっては過度な負担になり得ることが浮き彫りになっています。
インターネットや口コミを通じて個人輸入された海外製サプリメントは、成分の種類や含有量が不明瞭なことも多く、より注意が必要です。

また、B型・C型肝炎ウイルスの感染者や、もともと肝機能が低下している方は、健康な方と比べてサプリメントによる肝障害が起こりやすいとされています。こうした背景を持つ方は、サプリメントを新たに始める前に必ず医師・薬剤師に相談することが重要です。

慢性腎臓病(CKD)患者さんとサプリメントの注意点

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)を抱えている方は、健康な方と比べてサプリメントのリスクが大きく異なります。腎臓のろ過機能が低下しているため、通常であれば問題にならない量の成分でも体内に蓄積されやすく、重篤な合併症につながることがあります。

CKD患者さんが特に気をつけるべき成分

CKD患者さんにとって、カリウムの過剰摂取は特に危険です。腎臓の機能が低下すると、余剰なカリウムを排泄する力が弱まるため、血液中のカリウム濃度が上昇します(高カリウム血症)。高カリウム血症は心臓の不整脈を引き起こす可能性があり、最悪の場合は心停止に至ることもあります。野菜・果物成分を高濃縮したサプリメントや青汁系のサプリメントには、カリウムが豊富に含まれているものが多いため、注意が必要です。

また、リン(ミネラルの一種)を多く含むサプリメントも同様に問題となります。CKD患者さんでは、リンの排泄も低下するため、リンが蓄積すると骨や血管に石灰が沈着する「血管石灰化」のリスクが高まります。さらに、腎臓はビタミンDを活性化させる臓器でもあるため、腎機能が低下した状態でビタミンDサプリメントを過剰摂取すると、カルシウム代謝に異常をきたすことがあります。

CKD患者さんがサプリメントを使う場合の進め方

CKD患者さんがサプリメントを使用したい場合には、まずかかりつけの医師(腎臓内科など)に相談したうえで、成分・用量・摂取期間を確認することが原則です。「自然由来だから大丈夫」「食品と同じ扱いだから問題ない」という認識は危険な誤解につながります。特に定期的な血液検査(腎機能の指標であるeGFRや電解質など)を受けている方は、サプリメントの影響が数値に現れやすいため、担当医に情報を共有することが大切です。

自己判断でサプリメントを開始し、知らぬうちに腎機能をさらに悪化させてしまうケースは決して珍しくありません。医師と情報を共有しながら、適切な範囲でサプリメントを活用することが、腎臓を守る観点からとても重要です。

配信元: Medical DOC

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