頸動脈エコー検査は、超音波を用いて血管の状態を確認できる、身体への負担が少ない検査です。この記事では、IMT(内膜中膜複合体厚)やプラークの性状など検査で評価できる内容、当日の流れや準備のポイントについて解説します。検査結果の見方や、異常が見つかった場合の次のステップについても詳しく紹介します。

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)
鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。
頸動脈エコー検査とは:検査の仕組みと目的を知る
頸動脈の状態を調べる方法としてよく用いられるのが「頸動脈エコー検査」です。身体への負担が少なく、血管の状態をリアルタイムに確認できる検査として、多くの医療機関で取り入れられています。
エコー検査の仕組みと特徴
頸動脈エコー検査は、超音波を使って頸動脈の内部を画像として映し出す検査です。超音波(エコー)とは、人の耳には聞こえない高周波の音波のことで、探触子(プローブ)と呼ばれる機器を首に当てることで、血管の形や血流の状態を画面上で確認することができます。
この検査には放射線を使わないため、身体への影響が少なく、妊娠中や高齢の方でも受けやすい点が特徴です。また、血管の内壁の厚さ(IMT:内膜中膜複合体厚)やプラークの有無・性状を詳しく観察できるため、動脈硬化の程度を評価するうえで有用な情報が得られます。検査時間はおおむね15〜30分程度であり、痛みを伴わないことも患者さんにとって受け入れやすい点といえます。
エコー検査でわかること:IMTとプラークの評価
頸動脈エコー検査では、主に以下の点が評価されます。
・IMT(内膜中膜複合体厚)の測定:血管壁の厚みを数値で示す指標で、動脈硬化の進行度の目安となります。一般的にIMTが1.1mmを超えると動脈硬化の進行が疑われます
・プラークの有無と性状:プラークがあるかどうか、その大きさ・形・硬さ(石灰化しているか、軟らかい不安定プラークかどうか)を確認します
・血管の内腔の狭窄度:血液の通り道がどの程度狭くなっているかを評価します
・血流の速さと方向:血流の乱れや逆流がないかを確認します
これらの情報を総合することで、脳梗塞のリスクをより精度高く評価することが可能となります。
頸動脈エコー検査の受け方:検査前後の流れと注意点
頸動脈エコー検査は、特別な前処置がほとんど不要で受けやすい検査ですが、受ける前に知っておくと安心な情報があります。
検査前の準備と当日の流れ
頸動脈エコー検査では、基本的に絶食などの特別な準備は必要ありません。検査当日は首回りが広く開いた服装、あるいは脱ぎ着しやすい服装で来院すると、検査がスムーズに進みます。ネックレスなどのアクセサリーは外しておくと良いでしょう。
検査は診察台に仰向けに寝た状態で行われます。首にジェルを塗り、プローブを当てながら血管の様子を画面で確認していきます。検査中に特別な動作を求められることはほとんどなく、リラックスした状態で受けることができます。検査後はジェルを拭き取るだけで終了であり、日常生活への制限もありません。
検査結果の見方と次のステップ
検査後、医師から結果の説明を受ける際には、IMTの値やプラークの有無・狭窄の程度などについて確認するようにしましょう。異常が見つかった場合でも、直ちに手術が必要になるわけではなく、まずは生活習慣の改善や薬物療法から始めることが多いです。
一方で、狭窄が高度であったり、不安定なプラークが認められたりする場合は、MRIやCTによる精密検査や、血管外科・脳神経外科への紹介が行われることがあります。検査結果に不明な点がある場合は、遠慮なく医師や担当スタッフに質問することが大切です。また、定期的なフォローアップ(経過観察)が必要と言われた場合は、指定された間隔での再検査を継続するようにしましょう。

