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体位とは?種類と体位変換の方法、介護で押さえておきたいポイントを解説!

体位とは?種類と体位変換の方法、介護で押さえておきたいポイントを解説!

体位とは、患者さんや高齢の方の身体の姿勢や位置のことを指し、医療や介護の現場ではとても重要な要素です。適切な体位を保つことは、褥瘡(じょくそう)の予防や呼吸・循環の維持、安楽な生活の確保につながります。また、定期的な体位変換は、身体への負担を軽減し、健康状態の悪化を防ぐうえで欠かせません。本記事は、体位の基本的な種類や体位変換の方法、介護現場で押さえておきたいポイントを詳しく解説します。

伊藤 規絵

監修医師:
伊藤 規絵(医師)

旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科(脳神経内科)、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。

体位とは

体位とは

患者さんや高齢の方の身体の姿勢や位置のことを指します。医療や介護の現場で重要な基本概念です。

体位の定義

患者さんや高齢の方がとる身体の姿勢や位置関係を示す概念を指します。具体的には、仰臥位や側臥位、座位など、身体がどのような向きや角度で保持されているかを表します。医療や介護の現場では、体位は単なる姿勢にとどまらず、呼吸や循環、消化機能への影響、褥瘡の予防、安全性の確保など、多くの側面に関わる重要な要素とされています。そのため、対象者の状態や目的に応じて適切な体位の選択と維持が求められます。

参照:『介助者による体位変換』(健康長寿ネット)

医療や介護の現場で体位が重視される理由

医療や介護の現場で体位が重視されるのは、身体への圧迫を分散して褥瘡を予防し、皮膚や組織への血流を保つためです。長時間同じ姿勢が続くと、特に骨の突出した部位に圧力が集中し、痛みや皮膚トラブル、感染リスクの上昇につながります。また、体位は呼吸や循環機能にも大きく影響し、適切な姿勢を選ぶことで肺の拡張が促され、痰の排出や酸素化の改善が期待できます。さらに、安楽な体位の保持は、苦痛や不安の軽減、睡眠の質の向上にもつながり、生活の質(QOL)を維持・向上させるうえで欠かせない視点です。そのため、医療・介護従事者は、利用者さん一人ひとりの状態を評価しながら、適切な体位と体位変換を計画・実践していく必要があります。

参照:『褥瘡の予防について』(日本褥瘡学会)

体位が全身状態に与える影響

体位は、呼吸・循環・消化・筋骨格系など、全身状態にさまざまな影響を与えます。座位や立位は、仰臥位と比べて肺活量や機能的残気量が増加し、呼吸筋力や咳嗽力も高まるため、呼吸機能の面で有利な体位とされています。

一方で、仰臥位は胸郭の動きが制限されやすく、分泌物の貯留や無気肺、咳嗽機能の低下につながることが報告されています。

さらに、長時間同じ体位が続くと血流が滞り、褥瘡や深部静脈血栓症、筋萎縮や関節拘縮などのリスクが高まります。逆に、適切に体位を変えることで血行が促進され、疼痛や不快感が軽減し、生活の質(QOL)の維持・向上にもつながります。

参照:『姿勢管理と排痰』(南京都病院)

主な体位の種類と特徴

主な体位の種類と特徴

主な体位には仰臥位・側臥位・腹臥位などがあり、それぞれ褥瘡予防や呼吸状態、安楽の確保など目的に応じて使い分けることが大切です。

仰臥位

仰臥位は、背中を下にして仰向けに寝た、基本的で安定した体位です。全身をまっすぐに伸ばして支持面に預けるため筋緊張が少なく、安楽を得やすい一方、後頭部・肩甲骨・仙骨部・かかとなど背面の骨が出ている部分に体重が集中しやすく、長時間同じ姿勢が続くと褥瘡のリスクが高まります。そのため、クッションや枕を用いて良肢位を保ちつつ圧を分散させることが重要です。また、胸郭の動きが制限されることで呼吸が浅くなりやすく、痰の貯留や誤嚥性肺炎のリスクにも配慮が必要な体位です。

参照: 『姿勢管理と排痰』(南京都病院)

側臥位

側臥位は、身体を左右いずれかに倒し、側面を下にして横向きに寝た体位を指します。仰臥位よりも背中側への圧迫が軽減されるため、仙骨部や踵など背面に集中しがちな圧を分散し、褥瘡予防に役立つ体位です。また、内臓や胸郭の一部の圧迫が軽くなることで、肺の一部が拡がりやすくなり、痰の移動や排出を促す効果も期待できます。

さらに、嚥下障害がある方では、状態に応じた側臥位をとることで唾液や胃内容物が気道へ流れ込みにくくなり、誤嚥性肺炎のリスク軽減に用いられることもあります。一方で、肩や腰への局所的な圧迫が強くならないよう、枕やクッションで身体の隙間を支え、安定した姿勢を保つことが大切です。

腹臥位

腹臥位は、うつ伏せになり、胸や腹部を下にして寝た体位を指します。胸郭や背部が広く支持面に接するため、肺の背側がしっかりと拡がりやすく、分泌物の排出を促す目的で用いられることがあります。また、背部への圧迫が減ることで、仰臥位で圧が集中しやすい仙骨部や踵などの褥瘡リスクを軽減できる場合もあります。一方で、腹部や顔面が圧迫されやすく、呼吸困難感や不快感につながること、チューブ類の位置ずれや皮膚トラブルにも注意が必要です。そのため、クッションで頭頸部や胸部、骨突出部を支えつつ、呼吸状態を観察しながらの実施が大切です。

配信元: Medical DOC

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