再構築は地獄の道
叔父さんが最後に、事務所の外で私に言ってくれた言葉が、今でも胸に深く刺さっています。
「光里、再構築というのはね、許すことじゃない。『許せない自分』を抱えたまま、共に地獄を歩く覚悟をすることなんだ。不倫というのは、相手の『心』を殺し、積み上げてきた『信用』という土台を根こそぎ破壊する行為だ。土台が消えた更地に、もう一度家を建てるのは並大抵のことじゃない。お前は、よく頑張っているよ」
今の私は、太郎を以前のように心から愛しているから一緒にいるわけではありません。
子供たちの今の笑顔を奪わないため。そして、彼に犯した罪の報いを、残りの人生をかけて「誠実」という形で返させるため。私は、誓約書という名の見えない手錠を彼にかけ、この家という名の刑務所で彼を監視し続けている看守のようなものです。
「……パパ、これ見て! 上手に描けたよ!」
光次の楽しそうな声がリビングに響きます。
私はそれを見つめながら、ふと窓に映る自分の表情を確認しました。
そこには、かつての無邪気な笑顔はなく、どこか冷めた、けれど強くなった一人の女性の顔がありました。
あの日、彼が私に突きつけた「追い詰めてやる」という言葉。
皮肉なことに、今、精神的に追い詰められているのは、自由を奪われ、過去の過ちという亡霊に一生怯えながら「いいパパ」を演じ続けなければならない、彼の方なのかもしれません。
不倫が招いた結果。それは、偽りの平穏と、一生消えることのない不信感。
そして、二度と「心からの安らぎ」を得られない夫婦関係。
私はこれからも、この重い十字架を背負った彼と共に、どこまで続くか分からない、けれど決して以前と同じにはなれない道を、子供たちの手を引いて歩いていくのです。
一生「許さない」という思いを抱きながら、家族として歩む道を選んだ光里。夫が償うのは当然ですが、妻もまた、一生消えない傷を背負いながら生きていくことになってしまったのです。
不倫とは、本当に最低な行為です。相手の心を殺し、二度と信頼してもらうことはできません。それでも、子どもたちのために偽りの平穏を貫くことを選んだ光里。妻として、母として、そしてひとりの女性として、強さを感じます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ももこ
(配信元: ママリ)

