下痢を放置すると病気以外のリスクも
Q.下痢が続く状況を放置した場合、病気を見逃してしまうこと以外にはどのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。
安江さん「下痢が長引いているにもかかわらず放置すると、さまざまなリスクが生じます。最も身近なのは『脱水』です。
下痢では便と一緒に大量の水分や電解質が失われるため、体内バランスが崩れやすくなります。軽度では口の渇きやだるさ程度ですが、進行すると、めまいや血圧低下、動悸(どうき)、頻脈、意識障害などを引き起こすことがあります。特に高齢者や小児は重症化しやすく、高齢者の場合、下痢をきっかけに腎機能障害や全身状態悪化につながることもあります。
慢性的な下痢は栄養吸収障害にもつながります。本来、腸は食事から水分や栄養を吸収する役割を担っています。しかし、下痢が続くと十分に吸収できず、体重減少や貧血、低栄養、筋力低下、免疫力低下などを起こすことがあります。
下痢のすべてが重大な病気というわけではありませんが、『長引く』『繰り返す』『以前と便通が変わった』という変化は、体からの重要なサインです。
特に40歳以降で便通異常が続く場合は、大腸カメラによる精査を検討することをおすすめします。大腸がんは早期発見、早期治療が非常に重要な病気です。『下痢くらいで受診するのは大げさ』『そのうち治るだろう』と我慢せず、症状が続く場合は早めに消化器内科を受診することが大切です」
