亜里沙が示すもの
3人の主人公の1人、亜里沙という存在にも注目したくなった。亜里沙はバリバリ働き、夫が率先して家事をしており、従来のジェンダーロールに縛られない“令和っぽい夫婦関係”を築けている。花や真弓とは大きく違った角度から離婚のあり方を示すキャラになっているが、亜里沙を登場させた背景として、「女性のライフスタイルの多様さを描きたいという気持ちが強くあったからです」という。
「本作は離婚がテーマではありますが、モラハラや夫婦仲だけが、離婚したい理由ではありません。そういった理由とは異なり、『このまま子どもを授かって、子育てと仕事を両立していけるのか?』という、今後のライフプランに悩んで離婚を考える人もいると思います。
もちろん、女性のライフスタイルや働き方を詳しく描写すると本作のテーマがブレてしまうため、サラッと描きました。それでも“女性のキャリア”という視点からも離婚を描きたかったので、亜里沙というキャラクターを登場させました」
結婚生活に違和感を抱えながらも、「これくらい普通なのかもしれない」と飲み込んでしまう人は少なくない。本作はそんな、言葉にしにくい苦しさを丁寧にすくい上げている。
<取材・文/望月悠木 漫画/ゆりゆ>
【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki

