31日に放送されたNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合ほか)の第21回で、主演を務める仲野太賀が父親の中野英雄と共演を果たした。仲野が主人公・豊臣秀長(小一郎)を演じる本作に、中野は但馬・竹田城の城主、太田垣輝延役でサプライズ出演。親子共演はこれまでもあったが、中野が「大河ドラマで主演を張れるような役者になってほしい」との願いを込めて息子に「太賀」と名付け、自らの夢を託したことは広く知られている。そんな中野にとって、息子が主演を務める大河ドラマへの出演は特別な意味を持つ出来事で、自身も「夢のようだった」と振り返っている。一方、出演オファーを受けた当初、素直には喜べなかったという。自身が出演することで視聴者の意識が親子関係に向き、作品への没入感を損なってしまうのではないかという不安から、出演をためらう気持ちもあった。そんな歓喜と戸惑いの間で揺れる父の背中を押したのが、座長として現場に立つ息子の一言だった。
「豊臣兄弟!」とは?
豊臣秀長(仲野)を主人公に、天下人となる秀吉を補佐役として支えた弟の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
中野英雄 コメント
――大河ドラマ初出演について
「大河ドラマは、何十年も出たくて仕方なかった番組です。そこに息子の太賀に導かれて出るなんて夢のような話なので、お声がけいただいたときは『嬉しい』の一言でした。ただ、一つだけ迷いがあって、それは作品の邪魔をしてしまうのは嫌だな、ということ。“親子共演”を楽しんでくださる方もいらっしゃるでしょうけど、僕が出ることによって、物語に集中できなくなったり、見る方に変な先入観を与えてしまったりしないかと心配で。太賀も、本当は僕が出るのは気が進まないのに、気を遣って言えないのかも?と勘ぐっていたのですが、思い切って話してみたら、いつもと変わらない調子で『やってよ』と言ってくれたので、その言葉に甘えて出演することにしました」
――太田垣輝延を演じるにあたって
「太田垣は、小一郎が初めて大将として攻略する竹田城の城主ですから、ある程度インパクトを残さないといけないと思いました。脚本を読んで考えたのは、これまで僕がVシネでやってきたような振り切った“悪役”として演じるか、あるいは少し冷めたような、クールな芝居でいくか、どちらかだなということ。声質や雰囲気をどうすべきか、自分の中でいろいろと考えながら撮影に臨みましたが、現場で監督さんから『低い声で、ガン!と悪そうな感じでいってください』と言ってもらえたので、それを信じてやらせていただきました」
――太賀との共演の感想
「小一郎と交わすセリフは一言だったのですが、親子で真剣に見つめ合って芝居をするのはどうしても最初、照れがあって。リハーサルの時はまだ照れが残っていたんですが、本番ではビンビン伝わってくるものがありました。目と目があった瞬間は、息子だなんて全く感じず、太田垣として『このクソガキ!』と思ったくらいです(笑)。お互い一役者として向き合って、きちんと役者同士の対話として芝居ができたことが、すごく嬉しかったですね。長年の夢だった大河の現場にいられる感動とあいまって、ちょっと涙が出てきてしまって。監督に『1人で泣きそうです』って言ったら、『今は泣いちゃダメですよ』と返されました(笑)」
――視聴者に向けたメッセージ
「皆さん、僕が出ていることに気づかずに、小一郎が“天空城”を攻略する姿を楽しんで見てくれていたら、それがいちばん嬉しいです。見終わったところで『えっ、あれ(仲野太賀の)親父だったんだ?』と驚くぐらいがちょうどいいかなと(笑)。
もともと僕は『豊臣兄弟!』というドラマのいちファンです。自分が出演する回の脚本だけは読みましたが、
この先の展開は知りたくないので、息子にも聞いていません(笑)。この週の放送が終わったら普通の視聴者に戻って、また皆さんと一緒にドラマを楽しんでいきたいと思います」

