「少しだけ声を落としてもらえると……」女性が伝えた一言
そんな様子を見ていた晴海さんは、少し考えてから自分のライターを持って立ち上がったそう。「私がライターを見せながら『これ、使いますか?』と声をかけると、彼らは『マジすか? ヤバ!』と安堵の表情を浮かべていましたね」
そして晴海さんは、笑顔のまま静かに「ただ、ここは静かに景色を楽しんでいる方も多いので、少しだけ声を落としてもらえると嬉しいです」と伝えました。するとグループは一瞬固まり、気まずそうに顔を見合わせたあと「サーセン! アザス!」と素直に頭を下げたそう。
「まぁちょっと言葉遣いは気になりましたが(笑)」
その後の彼らは、湯気の立つカップラーメンを囲みながらも、声のボリュームは明らかに小さくなり、音楽も止まりました。
その様子を見ながら晴海さんは、「もし、また山に来ることがあるなら今度はしっかりマナーを守ってくれるといいな」と思ったそう。
「頂上で彼らが美味しそうに食べていたカップラーメンの味と一緒に、マナーのことも覚えておいてよと、つい祈るような気持ちになってしまって」
そして帰り道、彼らはきちんと一列に並び、静かに下山していたそうです。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

