脳トレ四択クイズ | Merkystyle
姉妹関係がこじれた原因は【子育て観の違い】→姉と妹が程よい距離感を見つけるまで

姉妹関係がこじれた原因は【子育て観の違い】→姉と妹が程よい距離感を見つけるまで

その日の夜。私はスマホを手に取った。
少し迷ってから、香織に電話をかける。
数回のコールのあと、香織が出た。

「なに?」

少し不機嫌そうな声だった。

「突然ごめん」

私は言った。

「この前のこと、ちょっと話したくて」

「この前?」

「うちに来たときのこと」

少し沈黙が流れる。
私はゆっくり話し始めた。

「私も、蓮くんにいきなり注意しちゃって」

「……」

「香織に配慮が足りなかったかもしれない」

正直な気持ちだった。

「そこは、ごめん」

そう言ったあと、続ける。

「でも」

「……なに?」

「蒼を突き飛ばしたこととか」

私は言葉を選びながら言った。

「マットを壊したこととか」

「……」

「そのあと、ちゃんと謝ってほしかったなって思って」

電話の向こうが、静かになる。
そして、香織が言った。

「は?」

その声は、明らかに怒っていた。

「なにそれ」

「え?」

「結局、私の育て方が悪いって言いたいわけ?」

「違う、そうじゃなくて──」

「結衣さ」

香織の声が鋭くなる。

「いつもそうだよね」

「……?」

「正しいこと言ってるつもりなんだろうけど」

私は言葉を失った。

「蒼はいい子」

香織が続ける。

「結衣はいいお母さん」

皮肉っぽい声だった。

「そう思ってるんでしょ?」

「そんなこと──」

「もういい」

香織は言い切った。

「そうやって人の子どもに口出しするくらいなら」

「……」

「もう会わなくていいよ」

プツッ。

通話が切れた。
私はスマホを見つめたまま動けなかった。

(なんで……)

ただ、話し合いたかっただけなのに。分かり合えると思っていたのに──
胸の奥が、どっと疲れる。蒼が横から声をかけてきた。

「おかあさん?」

私は慌てて笑顔を作る。

「うん、大丈夫」

でも、心の中では、はっきり思っていた。

(もう……)

香織との関係に、私はすっかり疲れてしまっていた。

姉の拒絶と、わかり合えない苦しさ

歩み寄るために電話をかけたのに、一方的に言い返され、話が成立しませんでした。妹の言葉は、姉には届かないようです。

実の姉とはいえ、話が通じない相手との関係は、疲れますね。そして結衣も、姉に対する考えが少しずつ変わります。

自分のため、息子のために…

代わりに、私は考えるようになっていた。
香織はどういう人なのか。自分はどうしたいのか。
そして──蒼にとって、何が一番いいのか。

母の言葉も思い出す。

──「子育てってね、視野が狭くなることもあるのよ」

拓也さんの言葉も。

──「蓮のことになると、ムキになっちゃうんだ」

香織なりに、一生懸命なのかもしれない──そう思うこともあった。
でも──それでも、蒼が傷つくのは、嫌だった。

私は自分の子育てを大事にしたい。
蒼に「人に優しくしようね」と教えるなら、私自身も、その姿を見せたい。
そのためには、無理をしないことも必要なのかもしれない。

ある日、ふと気づいた。
私はもう、香織に「分かってほしい」と思っていなかった。
代わりに思うようになっていた。

(私たちは、違うんだ)

子育ての考え方も、大事にしているものも、きっと違う。
だから、無理に同じ方向を向こうとしなくてもいい。
そんなふうに思い始めていた。

同じ姉妹でも、価値観は違うものです。ムリに押しつけたり、相手に変わってもらおうと説得しても、疲れてしまうだけ。

自分が大切にしている子育ての価値観と息子を守るために、結衣は姉と距離を置くことを決めます。

配信元: ママリ

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