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「寂しい…」自由な生活から一転し施設へ入所した90歳母。涙ながらの電話の理由とは【体験談】

「寂しい…」自由な生活から一転し施設へ入所した90歳母。涙ながらの電話の理由とは【体験談】

寂しいのは心ではなく口だった!?

私は眉をひそめました。死にたいくらい寂しいのは、気持ちの問題ではなくて “口寂しい” ってことなの? 母はお菓子の差し入れをせがんできたってこと? と……。

その施設では糖尿病や高血圧の人もいるため、食事以外の差し入れは原則禁止。どうしても渡したい場合は、施設に一旦預けて、お茶の時間に少しずつ出していると聞いていたので、私はそう母に説明しました。すると、さっきまで涙声だった母が急にすごみのある声で「そんなの施設に言わずに部屋に持ってくればいい!」と怒鳴って怒り始め、たしなめる私にお構いなく一方的に電話を切ったのです。

私はあぜんとしました。認知症の症状は波があり、感情の起伏も激しいことは、この1年あまりの母の様子から、私も理解していました。ところがこのときの母の様子は、かなり衝撃的でした。

この日、電話で兄と話しましたが、何か急に思い立って母が兄に電話をしてくるのは日常茶飯事で、仕事中でもお構いなく何度も何度もかけてくるそう。そして、言われた通り何かを持っていっても、本人は忘れていることがほとんどだそうです。「だから、お前もあまり気にしなくていい」と兄は言います。

母が高齢者施設に入所してくれたことは、介護が難しい家族にとってありがたい選択でした。老親の面倒を子が犠牲を払って見る時代ではないと兄も親戚も言いますが、離れて暮らす私は、そうそう帰省することもできずにいることに、少なからず後ろめたさを感じています。

まとめ

母は電話で話をするたびに「昔は長生きすれば老後を楽しめると思っていたけれど、年を取って体が弱くなれば、何もおもしろいことがない。これが老後というものか……」と口癖のように言います。そんな母を引き取ることもできず、近くで支えることもできず、何が正解かわからず、やるせなさだけが募っています。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

著者:あらた繭子/50代女性・アルバイト
イラスト:おんたま

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

著者/シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!

配信元: 介護カレンダー

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