祖母の物忘れが目立つようになったのは、ある日を境に突然でした。最初は「年齢のせいかもしれない」と家族で話していましたが、同じことを何度も繰り返したり、物事を忘れることが増え、次第に心配が大きくなっていきました。その後、祖母は病院で認知症と診断されました。そこから、祖母との向き合い方は少しずつ変わっていきました。
ただの物忘れだと思っていたけれど
最初のころは、祖母の変化をすぐには受け止められませんでした。以前なら覚えていたことを忘れてしまう。何度も同じ質問をする。そんな祖母の姿を見るたびに、家族は戸惑い、不安を感じていました。
「また同じことを聞かれた」と思ってしまうこともありました。何度も説明しているうちに、疲れを感じる日もありました。
けれど、認知症の進行とともに、祖母自身も混乱しているのだと感じるようになりました。私たちは、できるだけ祖母が不安にならないよう、やさしく声をかけ、穏やかに接することを心がけるようになりました。
「あなたは誰?」その言葉に胸が痛んだ
認知症が進むにつれ、祖母は過去の出来事を忘れることが増えていきました。時には、家族の顔を思い出せないこともありました。
ある日、祖母が私の名前を思い出せず、悲しそうな表情で「あなたは誰?」と聞いてきたことがあります。その言葉を聞いた瞬間、胸が締めつけられるようでした。頭では病気の影響だとわかっていても、祖母に自分のことを忘れられてしまったようで、とてもつらく感じました。
それでも、祖母を責める気持ちはありませんでした。祖母もきっと、思い出せないことに戸惑い、不安を感じていたのだと思います。

