急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病の症状の違いはどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が病態・進行速度・症状・予後の違いについて解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病」の”症状の違い”は?治療法の違いも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)
滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科
白血病とは?
白血病は、血液のがんであると聞いたことがあるかもしれません。たしかに白血病は血液のがんですが、正確には血液の中にある血球のがんです。
血球を作る造血幹細胞(赤血球・白血球・血小板を造る細胞)ががん化することで、白血球(骨髄球系細胞やリンパ球系細胞など)が際限なく増え続ける病気です。
19世紀後半に白血病が初めて発見された当時は、治療法が存在せず、白血球が異常に増加することで血液が白く見えることがありました。この現象が「白血病」という名前の由来です。しかし、現在では治療法や薬が開発されており、血液が白く見えることはほとんどありません。
急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病の違い
急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病は、いずれも骨髄の異常によって引き起こされる血液の病気です。しかし、その発症メカニズム・症状・進行速度・治療方法に大きな違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、早期診断や適切な治療につなげることが可能です。
病態の違い
急性骨髄性白血病は、造血幹細胞が血液細胞に成長する過程で成長が停止し、白血病細胞として増殖することで発症します。発症するとすぐに症状が現れ、進行が速いのが特徴です。
一方、慢性骨髄性白血病(CML)の場合、発症後も数年間は「慢性期」と呼ばれる症状がほとんど現れない期間が続きます。
この時期は自覚症状がないため、自分で気付くのは難しいですが、この時期に治療を始めることで急性転化への進行を抑えられる可能性が高いです。
日頃から健康診断や血液検査を受けておくことで、万が一の場合にも早期発見につながる可能性が高まります。
進行速度の違い
急性骨髄性白血病の場合、治療を行わない状態では、2〜3ヵ月で死亡する例もあります。慢性骨髄性白血病(CML)に比べると進行速度が速く、症状も顕著です。
一方、慢性骨髄性白血病(CML)は、発症しても慢性期の間はほとんど症状が現れません。およそ4〜7年かけて移行期・急性転化へと進行し、進行するにつれて症状が現れるようになります。
しかし、慢性期に治療を始めることで、通常の日常生活を送ることができるケースも少なくありません。
症状の違い
急性骨髄性白血病は発症するとすぐに貧血の症状が現れ、出血症状も伴います。
一方、慢性骨髄性白血病(CML)の場合は、発症しても初期には症状がほとんど現れず、病状が進行するまで自覚症状がないことが多いです。
発症してしばらくは慢性期であり、その後移行期を経て急性転化に進行すると、慢性骨髄性白血病(CML)も急性骨髄性白血病とほぼ同じ症状が現れるようになります。
予後の違い
急性骨髄性白血病の予後は年齢によって異なりますが、65歳未満の患者さんの場合、およそ80%が完全寛解に達します。そのうちの約40%が治癒の可能性があるとされています。
65歳以上の場合、完全寛解率は60%台に留まりますが、再発率が高く、治癒はあまり期待できません。
一方、慢性骨髄性白血病(CML)の予後は、イマチニブの開発により劇的に改善されました。慢性期に治療を始めた場合、85%の患者さんが急性転化を防ぎ、長期生存が期待されています。
さらに、イマチニブ以外の薬剤や造血幹細胞移植などの治療も効果を上げており、慢性骨髄性白血病(CML)は90%が長期生存できる病気になりました。

