悪性リンパ腫の生存率や進行スピードを左右する要因はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が悪性リンパ腫の生存率と進行スピードを左右する要因について解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「悪性リンパ腫のステージ別・生存率」原因はご存知ですか?症状も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
悪性リンパ腫の生存率は?
悪性リンパ腫の生存率は進行ステージによっても異なりますが、2009年~2011年における5年後生存率は67.5%です。性別では、男性の5年後生存率は66.4%、女性の5年後生存率が68.6%と女性の方がやや高い傾向にあります。
また、年齢別では、男性女性とも50歳未満においては悪性リンパ腫による死亡率は低いです。しかし、60歳以上になると、悪性リンパ腫による死亡が大きく増加する傾向にあります。
進行ステージによっても異なっており、各ステージにおける5年後生存率は下記の通りです。
ステージI:72.7%
ステージII:60.7%
ステージIII:61.9%
ステージIV:50.7%
これらのデータから分かるように、悪性リンパ腫の生存率は、性別・年齢・進行度によってに大きく左右されます。ただし、医療技術の進歩に伴い、悪性リンパ腫の生存率の予後は大きく改善してきています。例えば、日本における5年後生存率は1993年~1996年において48.5%でしたが、2009年~2011年においては67.5%まで向上してきました。このように、悪性リンパ腫の生存率は今後も改善していくことが期待されています。
進行スピードを左右する要因
がんの治療法を考える上で、進行スピードが重要です。そして、その進行スピードを理解するためにも、進行スピードを左右する要因についても理解を深めておくことが大切です。この進行スピードを左右する要因として、以下の4つが知られています。
がんの種類
体の免疫力
悪性リンパ腫のステージ
転移の有無
悪性リンパ腫の進行スピードを左右する4つの要因について詳しく解説します。
がんの種類
悪性リンパ腫の種類によっても、進行スピードは異なっています。悪性リンパ腫では、この進行スピードの速さを悪性度といい、その悪性度の分類は以下の通りです。
低悪性度:年単位でゆっくりと進む
高悪性度:月単位で進む
超高悪性度:週単位で進む
このように、悪性リンパ腫の種類によって悪性度(進行スピード)が異なっています。
体の免疫力
体の免疫力もがんの進行スピードを左右する要因の1つです。体の免疫力が弱まっていると、がん細胞の増殖を抑える能力が低下してしまうことで進行が速くなることがあります。
悪性リンパ腫のステージ
がんの進行スピードを左右する要因として、悪性リンパ腫のステージも重要です。一般的に、悪性リンパ腫のステージが進むと、体の免疫力も低下します。そのため、悪性リンパ腫のステージが進むほど、進行スピードも速くなりやすいです。
転移の有無
転移の有無も進行スピードを左右する要因といえます。悪性リンパ腫はリンパを通じて転移する可能性があるがんです。そのため、転移した先のがんが進行スピードの速いがんの場合、進行スピードが速くなる可能性があります。

