俳優の岡田将生が主人公の田鎖真、染谷将太が弟の稔を演じる連続ドラマ「田鎖ブラザーズ」(TBS系、金曜午後10時)の第8話が5日に放送され、ノンフィクション作家・津田雄二(ずん・飯尾和樹)が残した取材ノートに「議員」という文字があった。このワードで思い出されるのは、第4話(5月8日放送)で真の上司・小池俊太(岸谷五朗)が2人に津田の無実を説明した時の会話で、その時、小池は「政治家」という言葉を口にしていた。
「田鎖ブラザーズ」とは
2010年4月27日に殺人罪などの公訴時効が廃止されたものの、わずか2日の差で両親殺害事件の時効が成立してしまった兄弟が、刑事と検視官として凶悪事件に向き合いながら31年前に起きた両親殺傷事件の真相を追い続けるクライムサスペンス。連続ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」「海に眠るダイヤモンド」(いずれもTBS)などで知られる新井順子氏がプロデューサーを務める。
「田鎖ブラザーズ」第8話の流れ(ネタバレあり)
この日の放送は、31年前に辛島金属工場と暴力団の五十嵐組、そして県警本部の刑事が絡んだ銃の密造疑惑について調べていた「津田ノート」を軸に物語が展開。ノートは五十嵐組が生前の津田から奪い、証拠隠滅を手伝わせている“掃除屋”(葵揚)に処分させたが、真と稔が裁断された状態で入手し、地道に再現を試み、復元に成功した。
2人が貼り合わせたノートを読み進めているところに、真の上司で、神奈川県警青委署刑事課強行犯係係長の小池が現れ、証拠の持ち出しは窃盗や規律違反にあたると強調。監察部への通報をちらつかせて兄弟を揺さぶり、復元データを収めたパソコンごと押収していった。
真相に迫る重要な手がかりを失った兄弟は、情報屋の足利晴子(井川遥)の協力を得て、事件当時、五十嵐組と癒着していた刑事が、捜査一課で小池とバディを組んでいた先輩の笹岡隆弘(柳憂怜)であることをつかむ。笹岡は県警本部に配属される前に川崎水上警察署に在籍しており、そのツテで入手した海上の巡回スケジュールを五十嵐組に流し、安全に瀬取り(海上で船から船へ荷物や物資を移し替える作業)できる日時を教えていた。
一方、小池は兄弟から取り上げた津田ノートを本部に提出せず、なぜか笹岡のもとに届けた。「今さら何の用だ?」と訝しむ笹岡に、小池は「あの事件は、まだ終わっていません」と言った。
ある日、兄弟が帰宅すると、家の鍵が開いており、真っ暗な部屋の中が荒らされていた。すると奥の部屋から目出し帽の男が飛び出してきて、格闘の末、真に押さえつけられた。男は五十嵐組の掃除屋で、ドラッグや特殊詐欺、銃の密売など組の裏稼業について津田が取材した内容を知っており、いざとなったら組を脅せるほどの情報が書かれたノートが漏れたら何をされるかわからないと恐れて奪還しようとしていた。真は、掃除屋から裁断する前にノートを撮影した画像データを取り上げ、中身を確認した。
2人の父・朔太郎(和田正人)と拳銃密造の関わりについて、ノートには、殺害される13日前の1995年4月13日に、銃を運搬したことについてしか書かれていなかった。しかし、その日に取引で「トラブル」があり、その事態収拾のため、兄弟が兄のように慕う茂木幸輝(山中祟)にある「任務」が課された。当時、茂木が営む町中華「もっちゃん」は再開発のための立ち退き候補地となっていたが、茂木は五十嵐組が仕切る立ち退きを見送ってもらうために笹岡に交渉を依頼。その見返りとして、「あの一家を処理しろ」と命じられていた。真は「あの一家」を田鎖家と推測。心を閉ざしていた幼少期から茂木にだけは懐いていた稔は、反発しつつも、自分の目で確かめようと、ノートの画像に目を通した。タブレットには1995年3月27日から29日の取材メモがびっしり書かれていた。稔が気にしている茂木のことは、左側のページ27日と28日に記述があり、稔はそこを拡大。その際、一瞬映った右側のページ、29日のメモとして、五十嵐組を見張った時のことが書かれていた。
「1995.3.29(水)
7:38 天城、自宅出る スーツ、右手に黒いカバン。
7:53 五十嵐組事務所着、中へ。他組員も大勢来た。
7:59 組長の車くる。会合があるのか。
8:04 見慣れない車くる。高級車、男1人、運転席からおりて後部座席のドアあけた。中から中年男性。どこかで見た顔
青木が事務所から出てきて迎え入れる。議員か?
9:02 青木が出てきた議員と秘書?を見送って中へ。」
「議員」という言葉で、思い出されるのは、第4話で小池の説明に出てきた「政治家」。兄弟が両親を殺害したと信じ込んでいた津田の事件当夜のアリバイを伝えるなかで、編集者から呼び出されて千代田区神保町の居酒屋にやってきた津田の姿を収めた防犯カメラの映像が見つかっていたが、その映像に捜査二課が追っていた「政治家」が映っていたため、外部に漏れないよう証拠として捜査資料には記載されないまま、津田は容疑者リストから除外されたと語っていた。
ノートにあった「議員」と、防犯カメラに映ったという「政治家」が同一人物かどうかはわからないが、「土地の再開発」という事情があったことで、背後に政治家が絡んでいる可能性は十分ある。津田が取材対象をこの政治家にも広げた結果、失踪しなければならないほどの深刻な状況に追い込まれたとも考えられる。

