メディカルドック監修医が、腎臓がんと診断された後に行われるステージングの基準やTNM分類の見方、そして今後の見通しの参考となるステージ別の生存率について分かりやすく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「腎臓がんの検査」を受けるべき症状はご存知ですか?検査費用も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科
腎臓がん(腎細胞がん)の初期検査
がんの検査にはいくつもの方法がありますが、腎臓がんは多くの場合、腹部超音波(エコー)検査・CT検査で見つかります。
確定診断のためにはCT検査が必要です。なんらかの事情によりCT検査ができない場合にはMRI検査を行うケースもあります。
また、これらの画像検査で診断ができないときには生検を行うこともあります。生検とは、がんかどうかや、がんの悪性度を調べるための検査です。細い針を使って組織の一部をとり、顕微鏡で調べます。
腎臓がんのステージング
腎臓がんと診断されたあとは、がんのステージングが行われます。ステージとは、がんがどの程度進行しているのかを表す指標であり、それを決定することがステージングです。
どのステージになるかにより、治療方法が異なってきます。ここでは、ステージングについて詳しくご説明していきます。
腎臓がんのステージング基準
ステージは、ローマ字を使用した表記が一般的に用いられています。
このがんの場合はI期〜IV期に分類され、進行するにつれて数字が大きくなっていきます。がんの大きさや転移しているかどうかなどの要素によりステージングが行われるのです。
TNM分類の見方
ステージは、TNMという3種のカテゴリーの組み合わせで決定されます。
Tは原発巣の大きさや広がり・Nは領域リンパ節への転移の有無・Mはがんから離れた臓器やリンパ節への転移の有無です。これらの要素を腎臓がんの病期分類の表に当てはめることで、I期〜IV期のどのステージであるかを確かめることが可能です。
生存率比較
生存率には、大きく分けて2つの示し方があります。
1つは「実測生存率」で、死因に関係なく全ての死亡を含めた生存率です。
もう1つは「相対生存率」で、がんのみの死亡を計算した生存率です。ここでは実測生存率を用い、ステージ別の5年後の生存率を記載します。
I期:87.4%
II期:82.0%
III期:69.6%
IV期:17.2%
III期とIV期で大きな差があることがわかります。早期発見がいかに大切かがよくわかる数値です。

