知人であるA子から聞いた、価値観の不一致が生んだ離婚の実話です。母子家庭で苦労しながら、地に足をつけて育ったA子。彼女が結婚したのは、都会育ちで父親が会社経営者という裕福な環境で育ったお坊ちゃん夫でした。育ちの格差による感覚の違いを乗り越えていたつもりだったA子ですが、ある事件をきっかけに、夫のあまりにも冷酷な本性を知ることになります。
苦労人のA子と、社長息子の夫。格差を乗り越えての結婚
A子は田舎の母子家庭で育ち、経済的にも決して裕福とは言えない環境で育ちました。だからこそ、自分の力でしっかりと生きていきたいという、地に足のついた価値観を持って上京し、働いていました。
そんなA子が仕事の取引先で出会ったのが、元夫でした。彼は都会育ちで、父親が自営業を営む社長。小学校から私立に通い、何不自由なく甘やかされて育ったお坊ちゃんです。地方出身のA子は、付き合っている当初は彼がそこまでの資産家だとは気付いていませんでした。
当然、育ちが違いすぎるということで夫の親からは結婚を猛反対されましたが、夫が「どうしても彼女と結婚する」と押し切り、二人は籍を入れたのです。
結婚してからは、日々の生活の端々で金銭感覚や常識の違いによる衝突はあったものの、お互いに歩み寄りながら仲良く暮らしているつもりでした。
「誰が家事するの?」母の病気に寄り添えない夫の本性
そんなある日、地元で一人で暮らすA子の母が体調を崩し、倒れたという連絡が入りました。
母子家庭でA子を必死に育ててくれた、かけがえのない大切な母親です。A子はひどく動転し、夫に「母の看病のために、しばらく実家に帰省したい」と伝えました。
心配してくれるだろう、快く送り出してくれるだろう──そう信じていたA子に対し、夫が放ったのは耳を疑うような言葉でした。
「は? 結婚したのに、俺をほったらかしにして帰るわけ? 誰が家事をするんだよ!」
妻の母親が病気で苦しんでいるという一大事に、夫は心配するどころか、自分の身の回りの世話をしてくれる人間がいなくなることに対して激怒したのです。
「そんなことを言っている場合!?」とA子は激しい怒りを覚え、大喧嘩になりました。しかし、自分のことしか頭にない夫の姿に完全に冷めてしまったA子は、夫の制止を振り切ってそのまま実家へと帰省しました。

