●海賊版サイトを見つけたらどう対処する?
作品の無断掲載をめぐる相談もあった。
「海賊版や、違法サイトを見つけた場合どうしたらいいでしょうか」という質問に対して、協会は、発見次第、該当作品の出版社に報告することを推奨している。
現在、多くの電子書籍事業者は一般社団法人ABJに加盟しており、出版社に情報が入ることで、ABJ側にも共有され、対応が進められるケースが一般的だという。
ABJは、正規版電子書籍の普及や海賊版対策に取り組む団体で、出版社や電子書店と連携しながら対応の取りまとめ役を担っている。
ただし、報告後すぐにサイトが閉鎖されるとは限らず、対応には時間がかかる場合があるとしている。
●コミカライズを降板したら原稿料を返さなければならない?
近年増えているコミカライズ作品をめぐる相談も寄せられている。
相談者は「コミカライズの連載を引き受けたものの、編集部の方針と折り合わず、担当編集者との協議の結果、作画の仕事を降りることになりました」と説明。出版社側から、すでに支払われた数話分の原稿料の返金を求められているという。
「連載準備で描き溜めただけで、未発表です。これは返金に応じるべきものなのでしょうか」という問いに対し、協会は、原稿料を返金すべきかどうかは契約内容によると回答した。
そのうえで、コミカライズ作品では、連載後に描き溜めた原稿を別の形で発表できないことも多いため、原稿料が作画作業の対価でもあると主張して出版社と協議する余地があるとしている。
また、出版社の依頼内容や連載を降りた経緯によっては、返金要求がフリーランス保護法に抵触する可能性もあると指摘している。
日本漫画家協会は今回の事例集について、「会員からよく寄せられる相談への回答をまとめたもの」と説明。契約や権利関係、報酬などをめぐるトラブルを未然に防ぐための参考情報として活用を呼びかけている。

