うまくいかない日
しかし、そうしたサークルに連れて行っても長男の気持ちが乗らない日もあります。
そんな日、長男は座り込み、スマホで動画を観ています。
周囲の音も人の声も届かず、やがて全身で「帰りたい」と訴え始める姿を見る度に、「連れてきて意味があるのだろうか」と迷うことも多いです。
それでも私は、今日も外へ連れ出すことを選びます。
たとえその場で楽しめなかったとしても、「家の中で煮詰まる時間を回避できた」というだけで、それは立派な避難の成功だからです。
荒れる前に、安全な場所へ
原因となる問題は解決できなくても、環境を変えることで避けられる衝突はあります。
完璧な正解はありません。
だからこそ大切なのは、嵐の中で戦い続けることではなく、その前に少しでも安全な場所へ動く知恵なのだと私は学びました。
小さな一歩であっても、今日もその選択を積み重ねるのが、親にできる精一杯の行動なのではないでしょうか。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。

