染谷さんは、9歳の時に『STACY』で映画初出演。以来25年、数々の作品で存在感を発揮。実力派俳優として活躍中です。キャリアを重ね「緊張感は増したが、楽しむことが大事」という染谷さんにお話を聞きました。映画デビューから25年。俳優業の面白さとは
――染谷さんは、ご自身の映画初出演となった『STACY』(2001)から数えると約25年のキャリアとなりますが、今、俳優業の面白さはどういうところに感じていますか?染谷:年齢によって演じる役が変わっていくことに、今一番面白みを感じているかもしれないです。ずっと学生役をやっていた時期もありましたけど(笑)、20代になるとだんだんと制服を着ることも減って、社会に出たての若者の役などが増えていきました。30代に入ると今回のようなお医者さんや警察官など、職業人の役を演じる機会も増えてきました。
あと、作品から求められる役も変わりますし、自分の容姿ももちろん変わっていきますし、その変化が面白いですね。年齢によって変わっていくことが面白いと感じています。
――一方で、経験を重ねたからこその難しさ、俳優業の奥の深さを感じる瞬間もありそうですよね。
染谷:最近すごく感じるのは、経験が増えるほど緊張するようになったことですかね。それが難しいことですかね。経験が増すと、上手くいった手応えを感じた経験も、悔しかった経験も、いろいろな体験が層のように積み重なっていくんです。重なっていくほどいろいろな可能性を考えられるようになったのかどうなのか、周りが以前より見えるようになってきたのかもしれません。
なので、より緊張するようになったという感覚があります。それを自分でコントロールしないといけないので、(演じることとは)また違ったことを気をつけないといけないような気がして、それがすごく難しいなと思いますね。
緊張をコントロールすることが新たな課題
――確かに一般論としても若い頃は、知らないからこそ挑めてしまうと言いますよね。染谷:とりあえずやってみようという勢いが強かったと思います。でも経験を積むと、とりあえずやってみることは危険だなと、頭の中でどこか思う部分も出てくる。
反省を重ねれば重ねるほど、違うアプローチをしなくちゃと考えるようになるのか、たとえば今回で言えば、たくさんの患者さんを前に、長い医療用語を含んだセリフを完璧な医師として話さなければいけない場面も多かったので、かなり緊張しましたね。その緊張を自分でコントロールすることが、新たな課題だなと思っています。
――その今回の映画『廃用身』は、かなり衝撃的な題材でしたね。演じられた主人公の医師・漆原糾は、医療の限界を超えたいと力強く訴え、理想を追い求めるあまり、合理性と狂気の危うい狭間へと入っていきますが、役の感想はいかがでしたか?
染谷:自分は人に何も言わせないほど完璧に提案できるタイプではないと思っているのですが、でも今回演じた漆原先生は、それをやらなければいけない人物だったんです。目の前にいる(現場の)人にも、映画を観るお客さんにも、この人なら信じられると思ってもらわなければいけなかったんです。だから今回は特に、完璧にやらなきゃいけないという意識が強かったですね。そういった緊張感は、以前よりも生まれましたね。

