日用雑貨品などを取り扱うドウシシャが12日、健康家電「ゴリラのひとつかみ」の新モデルなどの新商品を発表した。好調が続く「ゴリラシリーズ」だが、その秘けつは他社製品と一目で差別化できるものづくりにあるようだ。
Nは「なんでやねん」
「これまでにない製品の開発に必要なのはENJOYの精神。うちにとってEは『ええやん(賛同)』のEなんです」
同社第2事業本部で広報担当の青木響氏はこう話す。E以降のアルファベットは「なんでやねん(動機)」「自分(敬意)」「おもろいやん(評価)」「やったらええやん(挑戦)」の頭文字だという。少々強引だが大阪発の企業らしいユニークな方針だ。
ふくらはぎを圧迫する健康家電「ゴリラのひとつかみ」が誕生したのが2024年。パワフルなゴリラにつかまれているような痛気持ちよさで話題を呼びヒット商品になった。
その後も太ももや手のひらを刺激する健康家電を「ゴリラシリーズ」で販売したが、ドライヤーやフライパンといった、ゴリラらしさとはかけ離れた商品も展開している。
今夏は携帯用の氷のう「ゴリラの冷棒(れいぼう)」をプッシュする方針だという。なぜゴリラかと聞くと、青木氏は「痛いくらい冷たいから、でしょうか」と苦笑い。ネーミングはまさしくゴリ押しだと明かした。
売り場でインパクト勝負
そんな遊び心にあふれた商品を消費者は放っておかなかった。ゴリラシリーズは累計300万台を突破。波に乗るドウシシャは12日、従来モデルに振動機能を追加した上位版「ゴリラ仙人のひとつかみ」を発売した。さらに一部店舗で好評だった“全面球体”の健康スリッパを18日から順次、全国で販売する予定だ。
「ゴリラの裸足」を企画した家電事業部の水島英恵(はなえ)氏は「機能性が良くても売り場で埋もれてしまう。インパクトのある形状が必要だった」と話し、ゴリラの足を模した什器を店頭に置いて客の注目を引く施策と、SNSで“バズる”マーケティングが奏功したと振り返った。
店頭で目立たせることを意識しているのは別の商品でも同じだ。コンパクト化が進むハンディファンの分野では、あえて「デカすぎるハンディファン」として「ゴリラの扇風機」を売り出す。
「間違いなくお店で目を引くサイズです。まずは目立って、お客さまに見ていただかなくては何も始まらない」(担当者)
ファン部分の直径は約16.5センチメートルで従来品の2倍以上にあたる。大型で強い風を送れるから、客に存在をアピールできて高い機能性も確保できるというわけだ。前述の担当者は「ファンが大きい分、相対的に顔が小さく見える効果もあるそうです」とこっそり付け加えた。
これまでに発売されたゴリラシリーズの製品は25種類以上。同社は年内に30種類以上に増やすとしている。

