膵臓がんの検査方法や費用はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が膵臓がんの概要と検査方法、検査費用について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「膵臓がんの検査方法」はご存知ですか?検査費用や原因についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
膵臓がんとは?
膵臓がんとは膵臓にできるがんのことで、「膵がん」と呼ばれることもあります。日本における膵臓がんの罹患者数・死亡者数はともに増加傾向にあり、2019年ではがんによる死亡原因第4位になったことが発表されました。
小さい間から膵臓の周りの臓器・リンパ節などに転移しやすいため、見つかった時にはお腹全体に散らばっていることもあります。がんの中では進行が速いうえに、見つけにくいといえるでしょう。
膵臓がんの検査
膵臓がんで行われる検査は主に下記の7つです。
・血液検査
・腫瘍マーカー検査
・超音波(エコー)検査
・CT検査
・MRI(MRCP)検査
・超音波内視鏡検査
・内視鏡的逆行性胆管膵管造影
これらすべての検査が行われるとは限りません。膵臓がんの進行度・症状などによって行われない検査もあります。それぞれの検査について後述で解説するので、参考にしてください。
血液検査
膵臓がんの診察における血液検査は、血液に含まれる膵酵素の値が増えていないかを調べることが目的です。膵臓で作られる膵酵素にはさまざまな成分が含まれていますが、代表的なものとして下記の3つがあげられるでしょう。
・アミラーゼ
・エラスターゼ1
・リパーゼ
膵臓がんに罹患していると、これらの数値が高くなることがあります。ただし、罹患していても数値に変化がない場合もあるので確定的とはいえません。あくまで目安のための検査といえるでしょう。
腫瘍マーカー検査
膵臓がんでの腫瘍マーカー検査は、がんの診断を行う際の補助的な目的で行う検査です。主に下記5つの数値を血液検査で測定します。
・CA19-9
・SPan-1
・DUPAN-2
・CEA
・CA50
これらの数値が高いからといって、がんの有無の確定には至りません。値に変化がみられないこともあるからです。また、値が高くてもがん以外の病である可能性もあります。
超音波(エコー)検査
超音波(エコー)検査とは、超音波プローブという片手で持てる装置を体の表面にあて、超音波を臓器に反射させて画像化する検査のことです。膵臓がんの場合、位置・形・大きさ・状態などを調べます。また膵臓がんは転移性の高いがんでもあるため、周囲に転移していないかも同時に調べるケースが多いでしょう。
CT検査
CT検査は、X線で体の断面を画像化する検査です。膵臓がんの場合は、がんの有無・広がり・転移などを確認します。その際、位置・形などを細かく正確に映し出すために造影剤が使われるでしょう。
MRI(MRCP)検査
MRI(MRCP)検査は、磁力と電波を使用して体の内部を映像化する検査です。がんの有無・広がり・転移などを確認します。胆管・膵管を選択的に描出が可能であるため精度が高いです。膵臓がんの場合はより詳しく調べるために造影剤を使うこともあるでしょう。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影
内視鏡的逆行胆管膵管造影(ERCP)は、内視鏡と造影剤を使用して膵管・胆管を撮影する検査です。膵液の細胞を採取する検査が同時に行われることもあるでしょう。ただし、急性膵炎などを引き起こすことがあるので注意が必要です。
超音波内視鏡検査
超音波内視鏡検査(EUS)は、内視鏡がついた超音波プローブを使用して行う検査です。口から内視鏡を入れて膵臓の病変を直接検査します。胃・十二指腸などの周囲の臓器も同時に確認することが可能です。
通常の超音波検査とは異なり、近い距離から観察できるので詳細なデータが得られます。病変の組織を採取する検査が同時に行われることもあるでしょう。ほかの検査では診断が確定できなかった場合に行われることが多く、重要な検査といえます。

